2話 ページ4
「うわ、久我山とじゃん。」
「アイツと居るとβの俺らは勝ち目ないからな。」
「久我山君とじゃん! 」
「最高! 」
男子は諦め、女子は憧れが籠った目で久我谷を見る。
この世界でα、と言う存在はそれほど大きいのだ。
最もその視線を受けている本人はｼﾚ,としている。
「……司行くぞ。」
「りょー。」
司を家来のように引き連れ、2ｰCの教室へ入っていった。
中には人がまばらに居る。
「久我山、久我山……。ここか。」
「俺ここー。離れたねぇ。」
自分の机をバンバンと叩きながら司が残念、と言った感じで呟く。
それを無視して玲音は近くの人に話しかけた。
「お前名前何? 」
「
玲音の前の席に座っていた、髪を少し茶髪にした男。
柚希は気だるそうに答える。
自己紹介していないのに名前を呼ばれた玲音は驚き顔だ。
「……灘中の久我山、売られた喧嘩は必ず買う。3年間1度も負けなし……。話すな近づくな、目を合わせるな。」
「ぅぐ……!? 」
柚希の言葉に、久我山は顔をしかめる。
そう……厨二病まっただ中の古傷を抉られたような……そんな顔である。
「玲音有名なのー? 」
「あ、てめっ、くっつくな! 」
ふ、と玲音の腰に手が回る。
そのまま玲音の肩に顎を乗せるのは司だ。
「……あぁ、うん。」
司を見て数秒固まった後、柚希が頷く。
その目には驚愕が。
「……ん、離れろよ。」
「えぇ、やだぁ。」
「やだ、じゃねぇ! 死ね! 」
「ｷﾞｬﾌﾝｯ」
そんな司をスルーし、2人の世界を作る玲音と司。
調子に乗りすぎた司に玲音の回し蹴りが入る。
司は奇声を上げて蹲った。
……デジャヴ、である。
「……何、お前らそう言う仲なの? 」
「違うっ! 」
柚希の言葉にすぐ噛みつく玲音。
その顔は少し赤い。
一方司は頬を押さえ体をくねらせている。
「誰がこんな奴と……。」
「……ハイハイ。」
まだ弁明しようとする玲音を、柚希は軽くいなす。
そのまま「俺寝るわー。」と机に突っ伏してしまった。
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kanade - 更新頑張ってください！ (2020年5月12日 22時) (
レス) id: a0f0bf9343 (このIDを非表示/違反報告)
黒星 - 更新頑張って下さい!続きが気になります! (2019年6月9日 16時) (レス) id: a851782061 (このIDを非表示/違反報告)
来瀬 - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月15日 17時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜鸞 | 作成日時：2019年2月27日 23時
