1話 ページ3
「おはよう玲音。今日もスーパーウルトラ可愛いね、はいこの婚姻届にサインして。」
「うっせぇ死ね、何で入ってきてんだよ……ｯﾁ,母さん! この変態入れんなって言っただろ! 」
爽やかな春の日差しが輝く朝。
そんな天気とは裏腹の叫び声が久我山家に響く。
声の主は久我山玲音。
珍しい白髪に、つり目気味の黒目。
耳にピアスを開けていて、THE不良と言った見た目だ。
れきっとした男で間違っても幼なじみの男に婚姻届を差し出されるような見た目じゃない。
その玲音に変態、と呼ばれたのは宮永司。
黒髪黒目の爽やか系イケメンで、黙っていればそれなりにモテるだろう。
「ﾊｽﾊｽ,玲音の匂い……っ! 」
「マジで死ね! 」
……黙っていれば。
司を引き連れ、玲音が下に降りるとそこはもぬけの殻。
「あれ、母さんは? 」
「俺に玲音任せて仕事行ったぁ。」
机の上にはお弁当と、書き置き。
「……着替えてくっから、待ってろよ。」
「一緒に行くー。」
「来んな、この変態ｯ! 」
「ﾌﾎﾞﾌｪ……! 」
玲音の放った回し蹴りが司に。
司は奇声を上げて蹲る。
その隙に玲音は着替え、準備を終えた。
「……いつまで寝てんだよ。」
「寝てるんじゃないよ……よっ、と。」
地面に横たわる司を一瞥して玲音は玄関に向かう。
司も後に続いた。
「……えへへ、今年も玲音と一緒のクラスなれるかなぁ? 」
「却下だ却下。11年とか冗談じゃねぇぞ。」
「有り得るかもよ? 俺の愛の力で! 」
「言っとけ言っとけ。」
そう、今日は始業式。
2人の会話が少し多くなるのも頷ける。
「……で、いつまで着いてくんの? 」
「酷ｯ、俺玲音と同じ学校だよ? さっきまで話してたじゃん。」
玲音が軽く冗談を言えば先程の笑顔から一転、泣きそうな表情になる司。
見ていて飽きないところが司の魅力の1つである。
「……あ、玲音! もう貼られてるよ! 」
「引っ張んな引っ張んな。」
玲音より身長が高い司が、貼られた紙を認識する。
と、玲音の腕をとって駆け出していく。
玲音は文句を言いながらも、後に続いた。
「……えー、と……久我山……久我山……あった! C組! 」
「何で俺のなんだよ。……お前もC組だってよ。」
司は玲音のを、玲音は司のを探して。
どうやら同じクラスらしい。
喜ぶ司とは反対に、玲音の表情は……形容しがたい。
9割嫌、の中に1割嬉しい……とそのような表情である。
ツンデレなのか違うのかがよく分からない。
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kanade - 更新頑張ってください！ (2020年5月12日 22時) (
レス) id: a0f0bf9343 (このIDを非表示/違反報告)
黒星 - 更新頑張って下さい!続きが気になります! (2019年6月9日 16時) (レス) id: a851782061 (このIDを非表示/違反報告)
来瀬 - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月15日 17時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜鸞 | 作成日時：2019年2月27日 23時
