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side.you
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それでも全然距離は縮まらなくて。
何枚も何枚も、分厚い壁があるみたい。
多分、面倒くさいんだろうな、私の相手するの。
そう思いながらも、今日は何聞こうかな、と考える日々。
いつも別のクラスでお昼ご飯を食べていたが、友達が高校生最後の大会らしく、今日は一人で食べることに。
｢たまには一人の時間もないとね｣
そう呟くと少し私の声が響いた。
今私が座ってるのは、“KEEP OUT” と書かれたテープをくぐり抜けた先の階段で、ここを登ると屋上の扉がある。
｢うん、案外一人も悪くないかも｣
立ち入り禁止のここでは、誰にも邪魔されない安心感が心地いい。
『一人じゃないんやけど』
｢…へ？！？！｣
『よいしょっと』
突然現れたレトルトくんは、テープを慣れたように跨ぐと、私の1段上に座った。
さっきまでの安心感はどこへやら。
一気に緊張が押し寄せてくる。
｢えっと、いつもここで食べてるの？｣
『そ。ここ落ち着くんだよね、誰も来ないし』
｢へ、へぇ…｣
…あれ、私調子悪い。
いつも私が話してばっかりで、レトルトくんから一言ボソッと返される事に慣れていたせいだろうか。
饒舌な彼と上手く話せない。
『あれ、いつもの調子はどしたん』
なんて言われる始末。
自分でも何でこんなに緊張してるのか、分からない。
『…それ美味しそ』
｢あ、これ？｣
レトルトくんの目線の先には、卵焼きがあった。
｢もう1切れあるから…食べる？｣
『食べる』
お弁当箱を差し出すと、卵焼きがレトルトくんの口に放り込まれた。
『…うま』
｢ほんと？やった！｣
『え、これ作ったん？』
｢うん、自分でいつも作ってるの｣
『へ〜、凄いやん』
嬉しくて自然と笑顔になる。
すると、私をみたレトルトくんも優しく微笑んだ。
…初めて笑ってるとこ見たかも
｢この前は答えてくれなかったけど、好きな食べ物わかっちゃった〜｣
レトルトくんに色んなことを聞いてもほとんどちゃんとした答えは返ってこなかった。
だから、少しでも知れたのが嬉しい。
『…何でそんなに話しかけてくるん？』
レトルトくんは食べ終えたものを片しながら、聞いてきた。
確かに、私はしつこいと言っていいほど話しかけてきた。
｢んー…もっと仲良くなりたいなぁって｣
『…そっか』
そう言うと、階段を降りていってしまった。
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古舘(プロフ) - 蛍さん» 読んでいただき有難うございます、感想も頂けて嬉しいです*。 (2022年9月13日 22時) (
レス) id: 2c80c0e490 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - レトさ？のお話辛いもの9割でツラツラなんですが、話の作りや文章の工夫がすごくて読む手が止まりません！ありがとうございますm(_ _)m (2022年5月30日 19時) (レス) @page42 id: 4b8bfd7105 (このIDを非表示/違反報告)
古舘(プロフ) - とまとさん» 主人公の｢｣とレトルトの『。』の中を、PCであれば左クリックしながらなぞって頂くか、スマホであれば長押しして｢｣の中を検索にかけて頂くと…*°お手数お掛けしますが、こちらをお試し下さい！ (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d4dc67ed0 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - すいません最後のレトくんのお話の『。』の意味がわからないんですけどどういうことですか？ (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d36e78e24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：古舘 | 作成日時：2021年7月6日 1時
