互いに募る慕情【rtrt】 ページ38
side.you *
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高校最後の1年は楽しむぞ！と意気込んでいた私は、新しいクラス発表と共に落胆した。
｢…仲いい友達みんな違うクラスじゃん｣
こんな事ある？って共感を求めようとしても、いつも近くにいた友達は別のクラスにいる。
前の席の子に話しかけてみたけど、ちょっとノリが違うというか。
いつもの調子が出ないなぁ、なんて思いながらも2週間が経った頃。
｢この前出した課題、今日の最後に回収するぞ〜｣
すっかり忘れていた課題の存在に気づく。
｢…あー、最悪…｣
まっさらなプリントをみて、これは終わらないと確信した。
潔く、忘れました〜って怒られようかなと考えていた時だった。
『ん』
隣から腕が伸びる。
空欄のないプリントを差し出すクラスメイトは、黒板をみたままだった。
｢…え、いいの？｣
『忘れてたんでしょ、早く書きなよ』
そう言うと、受け取らない私が面倒になったのかチラリとこちらをみて、机の上にプリントを置いた。
えっと、この人は確か…
｢ありがと、レトルト、くん？｣
『ん』
よかった、名前合ってた。
2週間も経てば、それなりにクラスに馴染み、友達も自然とできていた。
だが、隣の席の彼とは話したことも、気にしたこともなかった。
｢はーい、課題後ろから回して〜｣
回収する頃には、課題を終わらせることが出来た。
字もさほど汚くなく、男子にしては割と見やすい字だった。
｢ありがと、本当に助かった！｣
『…』
そう言いながらプリントを渡すと、特に何も言われずに受け取られた。
それにしても、よく私が課題終わってないこと気づいたなぁ。
私はレトルトくんのこと、みてもなかったのに。
…きっと、凄く優しい人なんだ。
そう思うと、もっと仲良くなりたい、もっと話したい、もっと知りたい、とレトルトくんが気になって気になって仕方がない。
_
｢ねえ！レトルトくん！｣
『何？』
｢もう進路は決まった？｣
『いや、別に』
_
｢ねー！レトルトくん！｣
『なに？』
｢この前のテレビ見た？｣
『オリンピックは興味無いから』
_
｢ねーね！レトルトくん｣
『なんや』
｢レトルトくんってスポーツやってたの？｣
『そんなん知ってどうすんねん』
_
毎日のように、隣にいるレトルトくんに話しかける。
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古舘(プロフ) - 蛍さん» 読んでいただき有難うございます、感想も頂けて嬉しいです*。 (2022年9月13日 22時) (
レス) id: 2c80c0e490 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - レトさ？のお話辛いもの9割でツラツラなんですが、話の作りや文章の工夫がすごくて読む手が止まりません！ありがとうございますm(_ _)m (2022年5月30日 19時) (レス) @page42 id: 4b8bfd7105 (このIDを非表示/違反報告)
古舘(プロフ) - とまとさん» 主人公の｢｣とレトルトの『。』の中を、PCであれば左クリックしながらなぞって頂くか、スマホであれば長押しして｢｣の中を検索にかけて頂くと…*°お手数お掛けしますが、こちらをお試し下さい！ (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d4dc67ed0 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - すいません最後のレトくんのお話の『。』の意味がわからないんですけどどういうことですか？ (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d36e78e24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：古舘 | 作成日時：2021年7月6日 1時
