瞑怒雨.愛すべきミステリアス【rtrt】 ページ31
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唐突だが、俺の彼女はびっくりするほどリアクションが薄い。
性格もクールで、愛嬌なんてないに等しい。
『ほら、Aちゃんの大好きなプリン!買ってきたで〜』
「ん、ありがと」
…な?素っ気ないやろ?
女の子やし、もう少し表情も変わってくれると有難いんやけどなぁ…。
パクパクと食べ進めるAは、一言も声を発さずに食べ終えるのだった。
『今日はカラメルなしの買ってみたけど、どやった?』
「…おいしかったぁ」
小さめな声にも、ぶっきらぼうであまり変わらない表情にも慣れ、なんなら少しの変化でAの感情までわかるようになった。
だから今の感情、読み取れる。
Aはかなり喜んどる。可愛い。
『はい、じゃーかしてー』
「ん」
『持ってってくれんの?あんがとー』
相当気に入ったようで、Aは俺の容器も一緒に片してくれた。
ご機嫌やなぁ。
“どこかミステリアスで、近づき難い子” というのが第一印象だった。
そんなAに惚れた…訳ではなく、俺が惚れられた側。
…な?びっくりするやろ?
それがまた理由も驚くんやって。
「ジジ、おいで」
ジジは俺の飼ってる猫。
黒猫やから、某アニメにでてくる猫の名前からとった。
…ジジと遊んでる時が1番楽しそうなんやけど。
なんて自分の飼い猫に嫉妬しそうになるのを抑える。
『なーあー、俺とジジどっちがすきなんー?』
「…私の好きなジジを溺愛してるレトルトが好き」
『だからそれ答えになってないんやって』
ジジを溺愛してる俺をみて好きになった、なんて変な理由で惚れられた。
…な?ちょっとおかしいやろ?
知った時は飲んでるコーヒー吹き出してもうたもん。
ま、そんなAに結局俺も惚れ込んで、順風満帆な恋人生活できてる。
「ジジ、もうすぐ外出るかも」
Aがそう言えば、窓から外に出ていく。
猫の事がわかるのか、ジジの仕草や鳴き声で、今から何をするかを当てる。
『ほんま凄いなぁ、今日も18時頃に帰ってくるかなぁ』
「…今日は早いかも、多分」
『ほぇ〜』
何でやろ?なんて思いながら過ごした日中。
夕方になれば、その理由は明らかになった。
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古舘(プロフ) - 蛍さん» 読んでいただき有難うございます、感想も頂けて嬉しいです*。 (2022年9月13日 22時) (レス) id: 2c80c0e490 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - レトさ?のお話辛いもの9割でツラツラなんですが、話の作りや文章の工夫がすごくて読む手が止まりません!ありがとうございますm(_ _)m (2022年5月30日 19時) (レス) @page42 id: 4b8bfd7105 (このIDを非表示/違反報告)
古舘(プロフ) - とまとさん» 主人公の「」とレトルトの『。』の中を、PCであれば左クリックしながらなぞって頂くか、スマホであれば長押しして「」の中を検索にかけて頂くと…*°お手数お掛けしますが、こちらをお試し下さい! (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d4dc67ed0 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - すいません最後のレトくんのお話の『。』の意味がわからないんですけどどういうことですか? (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d36e78e24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:古舘 | 作成日時:2021年7月6日 1時