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狐の嫁入り【ky】 ページ26

side.you

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人気の少ない小道。そこを抜けると古びた駄菓子屋がみえ、橋の下には川の上を泳ぐ鴨。




「うっわぁ…懐かしいな〜」





地元に帰ってきた私は、懐かしさと共に思い出に浸る。




「ここは通学路だったなぁ」




小学生の頃に歩いていた道。

子供の私は、もっと建物は大きく、道は広く、家からここの短い距離でさえも長く感じた。


家に着くと、母親が出迎えてくれる。




「あんた、ちょっとケバくなったんじゃないのー?」

「そんな事ないって、東京だとこれが普通」




都会に慣れて濃くなったメイクも、このド田舎じゃ浮いてしまう。

確かに歩いてる人を見れば、Tシャツに短パン。

いかにも “ 夏 ” を感じさせてくれるようなシンプルな服装の若者が多かった。




「そういえばさーあ、」




話しながら麦茶をコップに注いで、出してくれた。

もう子供の頃からずっとこの麦茶だし、何も変わってないなぁ。


カラン、と氷が動く様をみながら考えていた。




「…って、聞いてる?」

「…あ、なになに?」

「ほら、あの子、覚えてる?」





“ あの子 ” だけでわかったら相当凄い。



…まあわかったんだけど。





「もちろん覚えてるよ?どしたの?」

「2日くらい前だったかしら。見かけたのよねぇ」

「えー?だって北海道だよ?こんなド田舎戻ってくる?」




“ あの子 ”


彼は、中学生の時に仲良くなった友達。

小学校も同じだったのにちゃんと話したのは中学生になってから。


でも、仲良くなったと思ったら彼が親の仕事上、北海道に転校。
そこからぱったり会うことはなくなったし、連絡も取れていない。



彼とは本当に気が合うって言うか、落ち着くと言うか…



その心地良さに間違いなく “ 恋心 ” を抱いていた。




それも、初恋だった。





「会えるなら会いたいけどなぁ」

「なら、外ほっつき歩いてきな」




私が好きだった事は、母親にはお見通しらしい。




「本当にいるかわからないけど」



と言いながら母親はキッチンへ向かい、晩御飯の準備を始めた。




「みたって言ったの誰よ…」




もしかしたらただの見間違えかもしれない。

もう何年も会ってないのに、私の母親が気付けると思えないから。



あまり期待せず、サンダルを履いて戸を開いた。

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設定タグ:キヨ , レトルト , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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古舘(プロフ) - 蛍さん» 読んでいただき有難うございます、感想も頂けて嬉しいです*。 (2022年9月13日 22時) (レス) id: 2c80c0e490 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - レトさ?のお話辛いもの9割でツラツラなんですが、話の作りや文章の工夫がすごくて読む手が止まりません!ありがとうございますm(_ _)m (2022年5月30日 19時) (レス) @page42 id: 4b8bfd7105 (このIDを非表示/違反報告)
古舘(プロフ) - とまとさん» 主人公の「」とレトルトの『。』の中を、PCであれば左クリックしながらなぞって頂くか、スマホであれば長押しして「」の中を検索にかけて頂くと…*°お手数お掛けしますが、こちらをお試し下さい! (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d4dc67ed0 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - すいません最後のレトくんのお話の『。』の意味がわからないんですけどどういうことですか? (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d36e78e24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:古舘 | 作成日時:2021年7月6日 1時

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