・ ページ12
.
“さっき君が俺に問いかけたように、Aちゃんも俺に話しかけてるんだよ”
『げ、まじか』
“勿論、俺は話せないよ”
館殿はAと話していないらしい。
それにしても俺のいない所を狙って1人で話しかけてるのか…
“で、Aちゃんが話すことの9割。なんだと思う?”
『そんなんお前の事だろ、CD買っただとか…』
“違うね”
ヒントもなしにわかるわけねぇって
考え込んでいると、ふと、なぜ俺はこんなクイズに付き合ってるのかと我に返った。
『お前のクイズに付き合ってる暇は____』
“正解は、君の事だよ”
俺の言葉を無理やりにでも遮った館殿。
“毎日毎日、君は愛されてるんだなぁって。こっちまで幸せだよ”
『俺の事を、毎日…?』
“そう。だから安心してね”
ふふっと笑い声もきこえてくる。
こいつが言うことが本当なら…なにも心配いらないのかもしれない。
そもそも、アクリルスタンドが話しかけてくる時点で、おかしいんだけどよ
“あ、この話は2人だけの秘密って事で”
『おい、まだ話は終わ__』
“じゃ、PartyLife ”
『おい!まて!!』
ついに声が聞こえなくなってしまった。
…さっきの時間は何だったんだ。
「あれ?なにしてるのー?」
『あ、別に…』
明らかに動揺している俺。
Aの手元にはもうCDはない。
“ほら、愛してるのは君だけだって言ってごらん”
『は?!』
「え?!どしたの?!」
どうやらこの声は俺にしか聞こえてないらしい。
そんなこと言うキャラじゃねぇ俺は…
“言わないなら俺が言うけど?”
それだけはやめてくれ。
ふぅ…と深呼吸して、目の前にいるAを見つめる。
『A…』
「な、なに、どしたの…?」
『愛してるのは…Aだけだよ』
…言っちまった!!!!
なんだこれ?!てかなんでこのアクリルスタンドに振り回されてんだ俺は!!
「キ、キヨ」
『ん?』
「最っ高!!!!」
『え、ちょ、大丈夫か?』
案外刺さったみたい。
それにしてもヲタク体質の彼女を持つと色々大変だ。
「実はね、館殿アクスタにお願いしてたの」
『…へ?』
あとから聞くと、同じセリフ言ってみて欲しいなぁと言った事があったらしい。
だからあいつ…指示したんだな。
…ま、感謝しとく。Aがちゃんと俺の事好きでいてくれた事も知れたし。
あと3作連続ミリオンおめでとうな。
.
50人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
古舘(プロフ) - 蛍さん» 読んでいただき有難うございます、感想も頂けて嬉しいです*。 (2022年9月13日 22時) (レス) id: 2c80c0e490 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - レトさ?のお話辛いもの9割でツラツラなんですが、話の作りや文章の工夫がすごくて読む手が止まりません!ありがとうございますm(_ _)m (2022年5月30日 19時) (レス) @page42 id: 4b8bfd7105 (このIDを非表示/違反報告)
古舘(プロフ) - とまとさん» 主人公の「」とレトルトの『。』の中を、PCであれば左クリックしながらなぞって頂くか、スマホであれば長押しして「」の中を検索にかけて頂くと…*°お手数お掛けしますが、こちらをお試し下さい! (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d4dc67ed0 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - すいません最後のレトくんのお話の『。』の意味がわからないんですけどどういうことですか? (2021年8月14日 15時) (レス) id: 6d36e78e24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:古舘 | 作成日時:2021年7月6日 1時