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近くの椅子へ座り、再びその顔に目を向けると
寝顔だからか、さっき会った時よりさらに幼く見えた
長い睫毛に、綺麗に筋の通った鼻、そして小さく鮮やかな唇
常夜灯ではわかりにくいが、肌も透き通ったように白くて
むしろ青白くも思えた
… … スタークには起きなかったと伝えよう
先ほどめくったタオルケットを元に戻し、そのまま立ち去ろうとした時
ぎゅっ
かなり力強い圧迫感を手首に感じた
振り向くと、彼女にガッチリ手首を掴まれており
起きているのかと思えば目は瞑ったままで
相変わらずすやすやと寝息を立てている
「…こんな細い腕のどこにそんな力があるんだ」
彼女の手を取り、引き離そうとするけど
なかなかどうして手強い
『… … い、、に、…る』
「え？」
『… いい、においす…る…』
「… … ？
ハント、起きているのか？」
『… … いいにおいがする』
そして、ゆっくりと起き上がった彼女は掴んだ手首はそのままに
目を開けてボーッとこちらを見ていた
「大丈夫か？
すまない、よく知らない男に起こされるのは気分が、」
『イイニオイガスル…！』
その瞬間、ぼやけていた彼女の目が紫色に光った
瞳孔は開き、まるで肉食動物が獲物を見つけたかのような表情だった
そして次の瞬間
ブチッ
鈍く重い痛みが腕に走り、皮膚が貫かれる感触があった
「っ、ハント！？」
俺ともあろう者が、あまりにも素早すぎて手元を見るまでわからなかった
さっきまでそこにいた彼女が自分の腕に噛み付いているのだ
ぐじゅ
『アマイ』
じゅる
『オイシイ』
… … 血を… 飲んでいる…？
彼女の目は依然として毒々しい異色で満たされ、俺の腕を咬んで離さない
流れ出る血へ一心不乱に吸い付き
理性なんてまるであったもんじゃない
ト「なるほど… "そういう"現象が起きるのか」
振り向くと、いつからそこにいたのだろう
スタークはまるで実験しているかのように
こちらの様子を眺めていた
「スターク！彼女の様子が急に…っ」
彼は聞いているのか聞いていないのか
何の気無しに、スタスタとこちらまで歩いてくると
彼女の首筋にとても小さい、カプセルのようなものを突き刺した
『… … っ』
すると彼女の目は元の色に戻り、先ほどまでの異様な状況が嘘だったかのようにパタリとベッドへ倒れ込んだ
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時々雨(プロフ) - 更新されることはもうないのでしょうか……。他のMARVEL小説も読ませて頂きとっても幸せでした！もし続きがあるならキャプテンとはどう吸血しているか描写が気になります！ (2022年1月27日 1時) (
レス) @page23 id: 6532c97378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mei (M-tAnt) | 作成日時：2021年8月28日 2時
