1-3 ページ3
いつも私が着ているものは
深いフードに、鼻と口を覆うマスク
ボディはナターシャとほとんど変わらないけど
上に着ているフード付きのローブが、まるでアサシンのような風貌
『見せて』
トニーは、そうこなくちゃと得意げに笑うと
くるっと映像をこちらへひっくり返した
ト「フードにはナノテクを利用した目には見えない透明なフィルムをあしらい、太陽光は勿論、一切の有害物質を遮断、ガラの悪いマスクは取り払い、ボディは中世ヨーロッパの強かなジャケットをイメージし、ぴったりとしたパンツスタイルから丈を短くした」
流暢に話す彼は、やけに自信満々だった
ファンタジー映画でも見たのか?というほどコスプレ感漂うそのスーツは、シンプルに黒で統一されていて、先に説明したアサシンのような禍々しさは一掃され、洗礼されたシャツが清潔感を漂わせていた
『… … いや、これはちょっと…』
ト「因みにそのジャケットはペッパーが、ショートパンツはモーガンが選んだんだぞ」
『なるほど…それは是が非でも着なくちゃ』
大天使ペッパーと愛してやまないモーガンのチョイスなら嫌とは言えない
わかったよ、と渋々OKを出せば
彼は承諾されることがお見通しだったように、決まりだなとウィンクし、フライデーへスーツ作成の指示を促した
ト「ところで、今日の分は飲んだのか?」
そう言いながら彼が指差したのは、先ほどスムージーを飲み干した空のグラス
『飲んだよ、ベリー強めで美味しかった』
ト「違う、"本物"の方だ
『… … …あー… 』
思わず視線を逸らしてしまった
あまりにもバツが悪い
ト「はあ…A、何度言えばわかるんだ
君は少なくとも1日2Lは飲む必要がある
しかも、今日の任務内容だったら飲む機会はいくらでもあっただろう」
『… 得体が知れない』
ト「じゃあ得体が知れていればいいのか?」
『そう言う事じゃ、』
ト「スティーブを呼んでくる」
そう言うと、トニーはさっさと部屋から出て行ってしまった
『はあ…』
彼とこうした事で揉めるのは初めてじゃ無い
むしろ3日に1回は言い合ってる
心配してくれているのも、自分が我が儘なのも十分わかってる
でもどうしても、飲んだ後の凄まじい嫌悪感により思いとどまってしまう
ソファから起き上がり、背もたれへ体重を預け項垂れる
だからと言って、キャプテンに頼るのも本当に申し訳ない
なんなら、ここのところ毎日だ
本人は"気にするな"って言ってくれるけど、完全に私自身の問題
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時々雨(プロフ) - 更新されることはもうないのでしょうか……。他のMARVEL小説も読ませて頂きとっても幸せでした!もし続きがあるならキャプテンとはどう吸血しているか描写が気になります! (2022年1月27日 1時) (レス) @page23 id: 6532c97378 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mei (M-tAnt) | 作成日時:2021年8月28日 2時