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『わかってるよ…努力はしてる』



正直耳の痛い話だ

数年前トニーが私の存在及びハント家の存在を知り、アベンジャーズと共に私を捕まえにきた

彼らに出会う前、そして今こうしてS.H.I.E.L.D.に所属する前の私は、それはそれは悲惨な生活を送っていた

本来ならば、捕まった時点で殺されるか、ラフト刑務所にて永遠に長い時を過ごすはずだった
私が出した犠牲はあまりにも多過ぎたからだ

そうやって人間はいつだって私たちの存在を蔑み、憎み、憐れみ、駆逐してきた

でも彼らは違った

こうして罪を償う機会を与えてくれている
だからこそ、"自己管理"と言う名のものが人畜有害だった元の私に戻ってしまうような気がしてならない


ト「まあ、そうだな…
ではA、君よりスティーブとの付き合いが長い僕から助言をしよう」


押し黙るかのように俯いてしまった私に気づいたのか、トニーは自らもしゃがみ込み私の目線に合わせて、背中をぽんぽんと叩く


ト「キャンディだけというのはあまりにもそっけない
ほら、あれなんかどうだ?かなり喜ぶと思うぞ」



トニーがそう言って指さしたのは、向かい側にあるお店だった


『ええっ、本当に?ふざけてるでしょ』


ト「失礼な!君の純粋で真摯な想いを汲んで
明快かつ的確なアドバイスをしたまでだ!」


あたかも真剣であるかのように目を見開くトニー
その姿に、自然と穏やかな笑みが込み上げる


『…じゃあ、その明快かつ的確なアドバイスをありがたく頂戴します』


それを聞いたトニーは満足そうに、是非そうしてくれたまえ、なんて口角を上げた
そしてとぐいっと腕を引っ張って私を立たせ


ト「さあ、そうと決まれば
その大量のキャンディとあれを買って、次の場所へ行くぞ」

意気揚々と、目をきらつかせた


『次?何か買いたいものでもあるの?』


ト「ああ、かなりいいものをな
ペッパーもいるぞ」


『え、本当に!?』

何と言う嬉しすぎるサプライズだろうか
今日はかなり調子がいい上に、普段からプライベートや仕事に何かと忙しい彼女に会えるなんて
心躍るどころの騒ぎじゃ無い

ト「本当だ、愛しの妻を、忙しい彼女を待たせるわけには行かない
夫として、紳士としてな

さあ急ぐぞ」


そう言って、せかせかと私をレジへ連れて行くトニーはなんだか楽しそうだった

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設定タグ:MARVEL , Avengers , 短編
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時々雨(プロフ) - 更新されることはもうないのでしょうか……。他のMARVEL小説も読ませて頂きとっても幸せでした!もし続きがあるならキャプテンとはどう吸血しているか描写が気になります! (2022年1月27日 1時) (レス) @page23 id: 6532c97378 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mei (M-tAnt) | 作成日時:2021年8月28日 2時

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