Unfair_03 ページ3
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瑞稀くんとの関係が始まったのは幼い頃
同い年で、母親同士が仲良くて、家が隣だったと言う偶然が重なった事もあり、私達はずっと一緒にいた
小さいながらに結婚しようだなんて言い合ったりして、自分でも仲良しだなって思ってた
そんな幸せが崩れたのは私が4歳の時だった
実の父親と離婚して、別の男と付き合い出した母親は、
昔の優しかった面影なんて全く無くて
新しい父親だって私の事を邪魔者扱いした
毎日浴びせられる罵声に、暴力に、耐えてはいたけど、何よりも心が痛くて
生まれてこなきゃ良かったな
誰もいない部屋で泣いていた
瑞稀「Aちゃん、」
その苦しみを分かってくれたのはたった一人、瑞稀くんだけだった
『みずきくん、いたいの、いやだ、こわい』
ずっと寄り添ってくれて、助けて欲しくて、
瑞稀くんに助けを求めた
瑞稀は驚いたような顔を見せたけど、
瑞稀「俺と一緒に、逃げる?」
『えっ、?』
今度は瑞稀くんが呟いた言葉に、私が驚いた
私が驚いた顔を見せても瑞稀くんは何一つ顔を変えずに言葉を続けた
瑞稀「俺と一緒においでよ。このまま居たらAちゃん、死んじゃうよ?俺が助けるから」
でも、分かってるよね?って付け足して私の前に差し出された手
その手を取れば、きっと、もう戻れない
分かってて私は手を取った
その時上がった口角は何を表してるのか、あの頃の私に想像が出来ただろうか
少なくとも今の私には分かること
瑞稀「俺が絶対だから」
かなり残酷な取引に思えたけど、
今の幸せがあるのは瑞稀くんのおかげであることは確かだって
それで良いのかなってずっと思ってた
でもそれの考えは
私の感情が許さなかったみたいだ
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作者名:りぃあ | 作成日時:2019年6月3日 20時