No.6 ページ6
あの集団を撒き、人気のないところに入った。
『なんなん、っ、ですか、はぁっ、はっ、いきなり、』
「俺を体育祭のあの場所に戻せ！今すぐ！」
『は...？コスプレの体育祭とかあるんですか？』
ガンッ
『っ』
「とぼけんな！！！殺すぞ！！！」
彼が怒りに任せて、壁を殴った。
もう、意味がわからない。
爆豪になりきるのは良いけど、
人に迷惑をかけるのはやめてほしい。
『て言うか、なんで私が』
「体育祭で半分野郎と戦って、俺が半分野郎に文句を言ってる時に意識が飛んで目を覚ましたらお前の部屋にいた！！だから、お前しかいねぇだろ！！」
『私の部屋...』
その瞬間、昨日のことを思い出す。
『昨日、私の胸ぐらを掴んだのって』
「チッ！いちいちうぜぇんだよ、早く帰しやがれ！！お前の個性でもなんでも使ってよォ！！！」
いつまでも怒鳴るコスプレイヤーの手を力強く掴む。
『現実見て。この世界に個性なんかない。その個性が存在するのはヒロアカの漫画、アニメの中だけ。爆豪になりきるのは勝手だけど、爆豪になって人に迷惑をかけるようなことは許さない。』
「はっ？個性がない？そんな国あんのか」
『すべての国でないよ。』
「ヒロアカってなんだ。」
『あんたが今なりきってるキャラの漫画の名前でしょ？』
待って、何かがおかしい。
「なりきってる？漫画？いみわかんねぇんだよ。」
彼は掴まれてる手を振り払い背を向けた。
「___この世界にヒーローはいない」
...混乱してる。
彼はコスプレイヤーなんかじゃなくて
本当に爆豪なのかもしれない。
どうやって次元を超えたのか、そもそもトリップなんて現実にありえるのか、わからないけど
爆豪が嘘をついているようには見えなかった。
『爆豪、』
私は初めて彼を呼んだ。
『私の話を聞いてほしい。』
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作者名：sigma | 作成日時：2017年9月18日 20時
