手懐けられた暴君【NS】 ページ28
Nside
あーあ。
これまた、酷くやられましたねぇ。
戦場に倒れし武士達。
そんな中で一人、空を見上げてぼんやりと立ち尽くしていて、そんな彼の周りには血溜まりがあり、大きな円を描いて囲んでいる。
「翔。」
馬上からそう呼ぶとゆっくりと振り返る。
周りに倒れている人を目視で数える限り、余裕で十人は超えているのに彼自身はあまり汚れていない。まぁ、刀の刃はボロボロになってますけどねぇ。
「また…死ねなかった。」
そう言って跪く翔。
派手にやったとは言え、どうにか崇高な思考を働かせる理性は失ってないようで何よりです。
「死ななかったの間違いであってほしいものですが、それが翔らしいですよ。」
「人を殺める度、命の尊さを感じる。それに比例して自分の中にある愚かさや醜さが込み上げて死にたくなる。」
「へぇー。でも、可哀想ですねぇ。そう思っているのにいつも死ねない。」
私が皮肉を込めて言うと目を伏せて己を落ち着かせるように翔は呟く。
「でも、そんな気持ちよりも貴方を守る事がまず、優先。」
まぁ、その反応は予想通り。
私が彼を縛り付けてますから、予想出来て当然なんですけどね。
二面性のある彼を従わせている私は武家に生まれ、若と慕われている。こう見えて武芸も難なくこなし、二宮家を継ぐ跡取りとして認められつつある存在なんですよ。
「刀、また、研磨してもらわないとですねぇ。」
「ボロボロ…ですね。」
「よく壊しますよね。刃の形が変形してますもん。斬れ味とか、そういうのゼロですよ。刀は武士の命と等しい筈なんですけどねぇ。」
「じゃあ、どうすれば…いいんですか？武士の命を捨ててるくせに、生きてるなんて…。」
翔は独特だなぁ。
そういう未知なる魅力があるから、私の側に置いているんですけどね。
「神のみぞ知るといった所ですかねぇ。貴方に生きるべき価値があるから、生かしてるかもしれませんよ？」
「生きるべき価値…。若には某が必要だから…って思い上がりましたね…この乱世、某には分からない事ばかり…ただ、人を斬っているだけの某に、何かを知れと言われても無理だとは思いますけど…。」
翔はいつも消極的。
戦ってる時は積極的。
その二面性が物凄く私の血を騒がせ、ゾクゾクさせるのだ。
「こんな血生臭い所で話しっぱなしなんて、私には耐えられませんから、ほら、行きますよ。」
「……御意。」
私は彼を上手く使いこなす。
そして、乱世を終わらせるんですよ。
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山風無限(プロフ) - ヒールさん» コメントのお返事、ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しい限りです！！！！！一応、完結しましたが、もしよければ、他の作品も覗いて見て下さると幸いです(o^^o)今までリクエスト、本当にありがとうございました！！！！！ (2018年10月31日 23時) (
レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
ヒール - 山風無限さん» ありがとうございます！！！！大丈夫でした！！！！！ (2018年10月31日 21時) (レス) id: 615327e9c8 (このIDを非表示/違反報告)
山風無限(プロフ) - ヒールさん» こんな感じで大丈夫でしょうか？期待に応えられているのか分からなくて…すみませんm(_ _)m 後、勝手に【MS】にさせて頂きました。残り数話ですが、この作品にお付き合いして下さると光栄です！ (2018年10月28日 23時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
山風無限(プロフ) - ヒールさん» コメントありがとうございます！中途半端に終わらせてすみません！！続き、書きます！展開に迷って先延ばしにしてしまいましたm(_ _)m 期待に応えられるような続きを頑張りますので、これからも宜しくお願いします！！ (2018年10月21日 12時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
ヒール - リクエストありがとうございました！ 新しいリクエスト失礼します、前にリクエストしたデビューしたての嵐さんを招いてコンサートに行くの続きをお願いしてもいいでしょうか…？ (2018年10月21日 10時) (レス) id: 58f29e697e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山風無限 | 作成日時：2018年7月5日 18時
