あの子と言う花SECOND 【実/況/者/小/説】 (ページ31)

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実況者の日常５９ページ31

美咲side

私、涼音美咲は今実況者をやっています。

キ「おーい、実況撮らね？」

この人はキヨ、私の夫である。

『うん、いいよ』

「お母さん、私も一緒にやりたい！」

この子は私の娘、來香(ライカ)。１２歳の小６。

名前はあの日ユーちゃんにあげたカンパニュラ、ライラックからとった私たちの愛しい娘だ。

そういえば、あの後…

～数年前～

私はユーちゃんにカンパニュラとライラックの花言葉を知っている。

ユーちゃんはきっと分かってくれる。

花の意味を。

ユーちゃん、本当にありがとう。

『ユーちゃん！大好きだよ！』

私はユーちゃんが乗っている飛行機に向かって大声で叫んだ。

…ユーちゃんに届いたかな。

『うっ…ユーちゃん…ごめんね…』

私は必死に堪えていた涙を流す。

キ「美咲、よく記憶思い出したな。紫のこと」

『私、最低だな…皆のことギリギリまで忘れてるなんて…』

キ「俺は昨日思い出してくれただけでも、嬉しいと思うぞ？」

『でも、でもっ！』

キ「美咲、今は紫に安心して行ってもらうことが出来たんだ。お前は何も悪くない」

『う、うん…』

キ「…今なら胸貸してやれるぜ…？」

そう言ってそっぽを向くキヨさん。

『…貸してください///』

私は顔を真っ赤にしながら答える。

キ「おう、いいぜ」

そう言ってキヨさんは私を抱き寄せ、頭を撫でてくれた。

私はそこで、大声で泣いた。

私の耳には私の泣き声とキヨさんと私の心臓の音が鳴り響いていた。

～翌日～

私は親友と会えない悲しみに暮れ、何も手に付けられていなかった。

『ユーちゃん、会いたいよ』

その時…

ｐｒｒｒｒｒｒｒｒ

電話の音が鳴り響く。

スマホの画面を覗くと「キヨさん」と表示されていた。

私は電話に出ることにした。

『もしもし…』

キ「あ、美咲！？やっと電話出た…」

『え？』

キ「美咲スマホの電源切ってた？」

『そういえば切ってたような…』

キ「ちょっと突然だけどさ、最俺ハウスまで来てくんね？」

『分かった…』

キ「話だけだからそのまま出てきてもいいぞ」

そういってキヨさんは電話を切る。

全く身勝手な人だな…

私は言われた通り、今まで来ていた部屋着のジャージを着て家を出た。

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最俺ハウス前までくると、キヨさんが窓を開けて手を振ってくれた。

私は玄関に上がると、最俺の皆さんが出迎えてくれた。

こんな温かい気持ち、いつぶりだっけ…

私はソファーの端に座った。