あの子と言う花SECOND 【実/況/者/小/説】 (ページ14)

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実況者の日常４７ページ14

美咲side

さっきの抱きしめられた感覚が忘れられない。

何か体が熱くなって、何も考えられなくて。

看「涼音さん、今いいですか？」

『あ、はい！』

丁寧な看護士さんだな…

看「涼音さんは明日月島さんと一緒に退院することが出来ます」

『えっと、隣の紫さん？とですか？』

看「はい、ただ記憶喪失の方が心配なので一週間に二回は病院に来るようにして下さい」

週に二回…牛沢さんに教えてもらったけど７日で一週間らしい。

何もかも忘れてる…多分皆が当たり前だと思ってることも。

『分かりました。えっと…どうやって来ればいいんですか？』

看「月島さんや、お見舞いに来て下さった方々と一緒に居らっしゃってください」

『ありがとうございます』

看「それでは失礼します」

『は、はい』

看護士さんが余りにも丁寧すぎて驚きしかない。

「どう？お見舞いに来てくれた人たち」

ポッキーさん、あの方々は本気でああいう気持ちなんですか？

「多分君に怯えて嘘をついてるんだよ」

やっぱり、そうですよね…

「そうだよ。だからあの人たちを信用しちゃいけないよ」

え？信用？

「全部信じちゃいけない。きっとあの人たちは君のご機嫌取りのために嘘をつく」

…嘘？

「だから、僕の言うこと以外信じちゃいけない。僕の言うことだけが本当だよ」

わ、分かりました。

私はいつの間にかポッキーさんに敬語で話しかけていた。

私の、せいで…みんなが…壊れた。

私は涙が溢れた。