あの子と言う花SECOND 【実/況/者/小/説】 (ページ7)

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美咲の夢ページ7

『ん…？ここは？』

私は何処かの家の中に一人、立っていた。

『だ、誰か…居ますか？』

そう聞いても返事はない。その代わりに女の子の泣き声が聞こえた。

…どうやら二階の方で泣いているようだ。

私はそっと階段を上る。

女の子の声が近くなる。

私は声が聞こえる部屋の扉を開けた。

「ヒック…お、母さ…ん…私の何が…いけな…かった、の？」

苦しそうに泣いている女の子が可哀そうで、つい声を掛けてしまった。

『君、どうしたの？』

そう聞いても返事はない。

私の声が聞こえてないのか、泣くことに必死で答えられないのか分からないけど、

私はそれ以上声を掛けることは無かった。

「お母さん…行かないで…置いてかないで！！」

今度は玄関から声がする。

同じ女の子の声。

私は玄関まで下りる。

「アンタみたいな出来損ないは死んじゃえばいいのよ！！！」

「やだ！やだやだやだ！！」

女の子が必死にお母さんに抱きつく。

それを鬱陶しいとでも言うように、髪の毛を掴み無理やり離そうとする。

『止めてください！』

私がそう言って女の子のお母さんの腕を掴もうとした時

私の手がお母さんの手を通り抜けた。

『え？何で…』

腕を掴めないどころか、私の声も聞こえていない。

私はただ…眺めることしか出来ないの？

そう考えてるうちにお母さんはこの子のお父さんだと思う人と一緒に

「お父さん！お母さん！待って！行かないで！言うこと何でも聞くから！！」

…車に乗って行ってしまった。

「あ……行っちゃった…」

女の子は力が抜けたのか、その場に崩れ落ち、ただ静かに涙を流している。

私は何も…出来ない…わけでもない

私は物に触れる。

もしかしたら孤児院の人を呼べるかも知れない。

こ、こじいん？

自分が言う言葉に色々疑問は持つけど、こじいんって何だろう？

そう考えているうちに体が勝手に動く。

本当は分かってるのかな…

私は電話番号を覚えている訳でもないけど、指が勝手に動いてダイヤルを押す。

ｐｒｒｒｒｒｒｒｒ

電話のコールが聞こえてくる。

「はい、もしもし。」

『あの、そちらは孤児院で合っていますか？』

私の声が届くか分からないけど、何となく喋ってみる。

「はい。ご用件は何でしょうか？」

どうやら声は聞こえているようだ。

『○○市の△△町—————————————————————』

私が勝手に喋る。

どうやら孤児院の人はすぐ来てくれるようだ。

私はここで夢が覚めた。