あの国民的アイドルの妹は...。１３ (ページ23)

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玉森「先どうぞー」

久しぶりの裕太の家。

どちらかというと私の家の方が来る割合は多いから、入った瞬間に香る裕太の匂いに幸せになった。

A「お邪魔します」

靴を脱いで部屋へ上がろうとしたとき。

後ろの方でガタッとわりと大きい音が聞こえた。

何か落としたのかと思って振り向いたら裕太が壁に寄りかかっているのを目にする。

A「裕太っ？」

腕を掴んで顔を覗き込むとさっきよりも辛そうにいる裕太。

...やっぱり風邪引いてたんだ。
家に入って気が抜けちゃったのかな。

A「風邪引いちゃった？」

手を伸ばしておでこに触れると熱さを感じる。

玉森「移したらごめん...」

A「もぉ、そんなのいいよ。それ薬だったんだね」

手にぶら下がっている気になっていた買い物袋は風邪薬だったのかぁ。

やっぱり早めに聞いてあげたらよかったな。

手を繋いでゆっくりとリビングに入ってとりあえずソファに座らせる。

体温計と薬を飲むための水を用意して、あとは私服はだるいだろうから部屋着を用意して。

A「着替えよ？」

玉森「着替えさせて？」

A「えっ、」

なかなかないことに驚いたけど、裕太は本当に弱ってて辛そうだしやってあげないとって思って頷いた。

...でもなぜだろう。

辛そうなはずなのに、口角を少しあげながら私を見てるのは。