頭痛薬 ページ20
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A「おはようございます、藤枝さん」
藤枝「名前覚えてくれてたんですね」
A「もちろんです。すごく腕のあるカメラマンさんだって友達のモデルさんから聞きました。楽しみにしてます！」
藤枝「ははっ、緊張するな。頑張ります」
そういって相変わらずの爽やかな笑顔を見せる藤枝さんは雑誌に出てくるモデルみたいだ。
頭痛もどこかに飛んでいきそう。
た「ほら、見惚れてないで入って」
A「あ、はい！」
背中を叩かれてつい大きな声を出した私に藤枝さんはクスッと笑いながら私達の後に会議室へ入った。
頭痛に耐えながらも写真集の話し合いは順調に進んだ。
日付が変わった頃。
A「ありがとうございました。これからよろしくお願いします！」
話し合いは終わってスタッフさんは帰っていった。
た「お疲れ様。大丈夫？」
A「んー....あ、藤枝さんお疲れ様でした！これからよろしくお願いします！」
藤枝「こちらこそ。...あ、これ。俺のなんですけど良かったら」
A「え？...気付いてたんですか？」
私に渡してくれたのは頭痛薬だった。
藤枝「顔色悪かったんで。俺、頭痛持ちだから何となく分かるんですよね」
A「あ、すいません。ありがとうございます」
藤枝「じゃあ、俺はこれで」
A「はい！お疲れ様でした」
すごく優しい人。
カメラマンっていう才能があって優しくてかっよくて。
前たっちゃんが危険だとか言ってたけど失礼だよ、そんなわけない。
だから、このあと起こる事なんて全く考えてなかったんだ。
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作者名：ひーりん。
| 作成日時：2015年6月7日 22時
