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立ち上がりに、多少 よろけた身体を
戻すようにしながら
今一度 奈々を背負い直すと
こちらを 目を細めて見つめる薮っちに
大「やーっぱ、連れてってくっから！」
と 大声で 声を掛けて。
大「行くよ？」
と 背中にも声を掛けた後
俺は ゆっくり歩きだした。
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進めていく歩みとともに
ゆらゆらと揺れる 奈々の両足首を見ながら
暫し 無言になる俺ら。
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だから、
大「はしゃいじゃったから。 汗臭いな、ごめん。」
奈「ううん……そんなことない。」
そう 言葉を発してからも、俺の背中で
押し黙ったままの、奈々…
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解らなくもない。
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奈々と、こうやって 2人きりになるなんて
すげぇ 久しぶり、だったから。
でも、それ以上に
黙ったところで お互いに気を遣ったりという空気が
俺らには もともとないんだから
そんな時間も心地よくて 安心していられたんだ。
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すると 背中からぽつり。
奈「はぁ……」
大「……なに？」
奈「……ダメ、だな 私。」
大「なにが？ 俺に体重、バレたこと？」
くすくすと からかい気味に笑ってやる、 と
奈々ったらさ、
俺の背中に トンとおでこをくっつけて
ぽつんと 言葉を落としていくわけ。
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奈「私が大貴のコト この先も
ずっと、守って行こうって そう思ってたから」
大「？」
奈「だからこんな状態 絶対に ダメ…なのに。」
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こもって聞こえた その言葉に
俺は、自分の耳を疑った。
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え………？
今、こいつ なんて言った？
俺を守って行く…、って どういうことだ。
それって だって…
所謂、『男のセリフ』ってやつ…じゃんか。
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思わず 足を一時止め、俺は
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大「なんで、俺が
おまえに守ってもらわなきゃなんねーの。」
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そんなことを呟いた奈々に
はてなマークでいっぱいな 俺の心を覚られないよう
極めて明るく 笑って答える。
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作者名：ゆっこ
| 作成日時：2016年7月13日 12時
