あの日の嘘と優しさと 3 (ページ37)

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するとやはり、だ。

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宏「おーーーい！集合！！

　あー、予定には無かったんだけど、
　今から数分、軽い試合をやってもらう。」

大「……は。」

当たり前だが、

『えーーー！』、だの『かったりぃー』、だのと
ざわつき始めたグラウンド。

宏「どうも、体力が
　有り余ってるみたいだからな。」

チラリと俺を見て、再びニヤつく薮っちを

じろりと一瞬、睨み返して

(俺のせいかよ……) と、息を吐く。

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そこで、俺もだ。

そういうつもりならやってやろうじゃん、って

変な対抗心を燃やすのが
単純すぎていけないところなんだけど。

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涼「え？おいおい、急にどうした。」

横で理解できん、と嘆く山田を振り切って。

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でもなんだ、

暑いときに無我夢中になるのも悪くねぇって

白いボールを必死になって奪いに走る。

そんな俺が、敵の斜めから奪ったボールは

同じチームの仲間にパスが通って

そいつが変な体勢で蹴り上げたそれは
カーブが掛かったまんま

空中で変に湾曲して高く空へ舞い上がった。

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＿「おわっ！」

大「ってオイ！！」

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流石にパスとして通用しない方向に

グンッと向かっていったボールは運悪く

グラウンドの隅をランニング中の
女子集団へ落ちてくのが見える。

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大「おーーーいっ！！あぶねーぞっ！！」

＿「きゃ！！」

注意した先にいたひとりの女子が

避けようとしたタイミングでよろけてすぐに

その場にしゃがみ込んだのが見えて。

急いで駆け寄った先に居たのは、

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奈「…」

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大「おい！！」

奈々は俺に気付くと

肩を、びくりと小さく上げてこちらを向いて

さっと体勢を立て直すとニコッと笑いながら
体操着を一通り叩くと

何事もなかったかのように立ちあがる。

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