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奈「ね、 大貴ってば… 今日もバイト？」
大「んーー そう。」
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授業が終わって
目の前に立ちはだかる 奈々の口から出た言葉は
いつかそのうち、言われんじゃねぇかって覚悟してた
奈々が言いそうな言葉が満載の こんなセリフ。
奈「そんな バイトばっかり入れちゃって
先の事、少しは考えてるの？
えっと、その……大学の受験とか……」
大「…とりあえず附属に行く つもりだけど。」
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って いうかさ。
本当のところを言うと……
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何かにのめり込んでないと
ざわつく気持ちが 落ち着かねぇの。
でも、こればっかりは しょうがなくって。
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奈「ったく、考えてるなら…良いんだけど。
でも、本気でやんなきゃさ、
バイトなんて してる場合じゃないでしょう？」
ちょっと不服そうな 奈々の
大「今だけ今だけ。 あとちょっとだからさ。」
にこりと 申し訳なさ気に笑い掛けながら
帰り支度を始めたけれど、
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ふと、 真横から
視線の刺さる 気配を感じて 横を向く。
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大「てか……
なんだよ。 何か俺に、用でもあんの？」
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涼「……あー。
帰るなら、俺と一緒に帰らねぇ…？」
大「…え。 気持ちわりーな…
男ふたりで、仲良く下校って 柄でもねぇし。」
そんな 冗談を交えながらの憎まれ口にも
あまり表情を 崩さないまんまの山田。
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でもさ。
なんとなく、ここんとこの 山田の言い分も
薄々 感じてはいたからさ。
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大「じゃ、帰るか。 ふたりで仲良く。」
そんな顔すんなよ、って意味を込めて
肩を、ガシッと組んで笑えば
涼「よっく言うよ、嫌がってたくせに。」
やっと、ヤツは ホロっと 小さな笑みを浮かべた。
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バイト先と 正反対の方向に帰宅する奈々に
特に 普段と変わりなく
いつものように 教室内で別れを告げて
山田の口から 切り出されるであろう話を
予測しながら 歩きだす。
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作者名：ゆっこ
| 作成日時：2016年7月13日 12時
