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新学期を迎え 俺らは3年生に進級した。
この学校の 2.3年はクラス替えがない為
見慣れた仲間、そして担任。
変わったことと言えば、
2年の時より明らかに手前になった、
教室の場所…… だけだ。
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そこは、いちばん奥に位置する
保健室からもっとも遠い、手前側のC校舎……
そのC校舎 1階、A組の
俺、山田 そして 奈々。
慣れ親しんだ相変わらずの この組み合わせに
俺の気持ちは、保健室から、
一層 疎遠になっていた。
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大「あーあ。 あっという間に 18だし…
免許でも 取りに行っちゃおっかな……。」
奈「え？ そっかー もう18になるのかぁ。
ダメだけどね？ダメ、だけど……いーなぁ。」
奈々は 早生まれの2月の子。
奈「免許も 卒業ギリギリだし、
早生まれって、ホント大変なんだよ？」
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一生懸命、全身を使って訴える 奈々が
まるで、
決まった動きをする ブリキの人形のようで…
無性に 可愛く感じてしまう。
大「ははっ！」
その笑いに、プンスカ怒っている奈々を放って
更に笑いながら 席に戻った。
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涼「……大ちゃん、元気？」
大「は？」
涼「……元気？」
進級してから ずっとどこか
俺の様子を
席に戻った直後の、意味の解らない声掛けに
俺は目の前に立つ 山田を見上げる。
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涼「何で そんな 笑ってられんの？」
大「じゃあ、逆に聞くけど……
山田には………俺が、どう 見えてんの？」
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数秒間、男同士
お互いの本音を探るように 瞳を見つめる。
涼「…」
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大「ちなみに…俺はめちゃくちゃ元気だけど、ね。」
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俺を見ていた 山田の視線が
一瞬、睨みつけるように俺に注がれ…
涼「そう…… わかった。」
目を逸らし、拳を一発 机に強くぶつけてから
自席に戻っていった山田に
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大「…」
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勝手に想像してろって
何故だか 無性に イラついた……
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作者名：ゆっこ
| 作成日時：2016年7月13日 12時
