あの日の嘘と優しさと 3 (ページ27)

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そんなことをここ数日は、

悶々と考えて

毎日を、投げやりに過ごしてきてしまったために

全く思いもつかなかった

初めて知ることになった、その事実に

じっと黙り込んでしまっていると、

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宏「でね、本題なんですが。」

あ「本題？」

宏「ええ。
　実は今回は、無断欠席ではないんですよ。」

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宏「風邪で… そう確かに電話が有りました。

　初日の昼過ぎになってから、ですけどね。」

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だったら

あ「じゃあ、特に何も…」

宏「そう…… なんですけどね。」

何かを考え込むような流し目の薮先生の視線に

次に彼の口から出るであろう言葉が怖くなる。

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宏「…俺、実は

　そんなの嘘八百だって思ってるんでね。」

あ「っ、」

うそ ……？

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宏「知りません？
　アイツの、本当の欠席理由。」

あ「どう、いう…こ、？」

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この人が、今、私に求めていること

それを実は、

実際にはもう
すべて知っている気がして恐ろしくって。

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宏「初日に1度だけ、

　その1回きりの連絡から …もう4日、
　 4日経っても出て来ない。

　日数もかさんで、さすがに…俺だって考える…」

……4、日も？

宏「有岡が慕う佐東先生なら知ってるかなって
　単純に思ったんで聞いてみたんですけどね…」

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目の前で
探るようにこちらを見つめる薮先生が

居たことなんてすっかり忘れてしまった私は

ぼうっと、そのまま過去の記憶を辿ってて。

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そんなに姿を見ていなかったことに

一切気付いてあげられなかった自分に
無性に腹が立ったと同時に

なぜだか急に

あの日のあの泣き顔が
不意に思い出されてきてしまって

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実は思っていたより繊細だった彼のことが

急にとても心配になって……

不安で、胸が押しつぶされそうになっていた。

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