あの日の嘘と優しさと 3 (ページ14)

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あ「は……、
　損…しちゃ…った……。」

まぬけすぎる自分自身を
小さく笑いとばしたつもり、だった…

けれど

そんな風に
無理矢理にして作った表情(かお)は

一瞬にして表情を失くす。

あ「……」

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昨日、あんな話を聞いてから

心配をしていたはずだった、彼の隣には今

控えめな笑顔を彼に向けて
同じ制服を身につけた女の子の姿があって…

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(＿＿＿心配なんてするんじゃなかった…)

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そんな思いを巡らせていた途中で

勢い余って
自分自身の身を隠さざるを得なかったのは

急に、目線を下げていたはずだった彼が

こちらに視線を送ったように感じたからで。

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思わず、

太陽の光を程よく吸収しきった
窓際の白いカーテンでこの身をくるんと隠したら

つい先日、感じたばかり＿＿＿＿＿＿

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あの日ふたりで包まって

体温で温まった真っ白な掛け布団の感覚を
つい、思い起こしてしまったから……

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身体が、この場に居続けることを拒絶して

すぐさま近くの椅子に、足が向いた。

そのまま座り込んで頭を抱えるように
目の前の机に肘をついて下を向くと

我慢していたわけでもないのに

大きな大きなため息が

可笑しい位に
今までの人生の上位を争う勢いで出た。

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やっぱり…

(＿＿＿心配、なんて……)

するだけ、無駄な行為だったんだよね？

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あ「ばっかばかしいっ
　結局は、そう……言うことになるんじゃん。」

ぽつりとそんなことを呟けば、

胸の奥底が、なぜか

かさぶたを無理矢理剥されたようにビリッと痛む。

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その後も、
じんわりと痛み続けるこの感情が

一時でも、考えてしまってた

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　『すきになれるかもしれない』

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なんて
そんな感情の、代償だったとしたのなら……

これ以上そんな想いが進む前に

自ら、蓋をするべきじゃないかって……

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だから。

あんなこと…

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無かったことにすればいいってサイテーなことを

＿＿＿＿＿私はつい考えてしまってたんだ。

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