あの日の嘘と優しさと 3 (ページ12)

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翌日

感情が落ち着くなんて
有り得なかったことなのだけど

まぁ、

いつまでもこんなことをしてるわけにもいかなくって…

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大「…いってくる。」

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今までと変わりない毎日へ、と
通常営業を開始しようとする俺に

奈「あ、 …おはよ。」

大「……よぉ。」

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玄関先で、ばったり出くわす

これまた、通常営業…風、の幼なじみ。

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大「昨日は、その……ありがと、な。」

何だかいろいろ言われる前に、と

その場でひょこっと
首から上を小さく下げて礼を言うと

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視線の先、

俺を窺うように留まっていた
小さな顔に対して大きすぎる位のその瞳は

2度ほど動いた瞬きによって
一瞬、遮られたのだけど。

でも、それと同時

奈「ん… いいえ。どういたしまして。」

そう言った奈々は、すぐに

顔を下に向けて小さくだけど微笑んでくれた。

*

*

大「一緒になる…なんて
　すげぇ久しぶり、じゃん…な？」

奈「ね。
　始点も終点もほぼ一緒だっていうのにね。」

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なんか、言わないと…なんていう

気を遣う空気は俺たちの間には一切なくて、

そんな会話を最後に
一定の絶妙な距離を保ちながら

こんな俺の横に並ぶ奈々は、

結局…

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昨日の俺にはひと言も触れないまんま

前だけを向いて黙々と
目の前に見え出した学校の門に視線を向けて

足を止めることなく、終点に向けて歩いてく。

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