慈愛の精神あふれる寮長【男主】 (ページ8)

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6話寮生１side ページ8

『あらそうなの？じゃああなたはこの程度の魔法しか使えないのに私を飼うなんてほざいてたのね？』

そう言いながらAは寮長に近づいた。

「く、来るな！！ふぁ、ファイヤーショット！ファイヤーショット！」

寮長は後ずさりをしながら魔法を連発したが、どれも全く効果がなく、とうとう森の端まで追い詰められてしまった。

「わ、わるかったよ！もう負けを認めるから！何もしないでくれ！」

そう言うと寮長はAに向かって土下座をした。

「決闘やめ！」

そう言うと学園長は二人の間に割って入った。

「勝者、A・ヴァンズ君」

「うおーーーーーー！！」

俺たちは勝者に向かって歓声を上げた。すげーよA、桁違いの魔力だ。あいつが寮長にふさわしい！

「寮長が、やられちまった…」

「寮長がここを出ていったら俺たちはどうすりゃいいんだ…」

一方寮長の取り巻きたちは絶望をそのまま顔に移したような表情で打ちひしがれていた。

「スコット君、君はこの決闘で負けたため、先ほど君がヴァンズ君の言葉を承諾したため君はここから立ち去らなければなりません」

「そんな…あれはノリでOKしただけで本当に出ていくつもりは…」

「大人の世界ではそれは通じませんよ。なのでほら、速く立ち上がっｔ」

『待ってちょうだい学園長先生』

Aが二人を制止した。

「何ですかヴァンズ君」

『寮長、いや、もうワタシが寮長だったわね。元寮長と少し話をさせてちょうだい。』

「かまいませんが」

『ありがとう』

そう言うとAは跪く元寮長の前にしゃがんだ。

『スコット先輩、ワタシはあなたに本気になってほしくて出て行けなんて言ってしまったの。だから本当に出てい必要はないわ。』

「…ふぇ？」

元寮長は間抜けな声で反応した。

『でもワタシと〝約束″して、もうだれも下に見ずに平等に接して仲良くすると。』

「や、やくそくする、約束します！」

『いい子ね、じゃあこれからは私があなたを守ってあげるわ』

『過去の夢(スロー・ミー)』

その言葉と同時に黄色いオーラが元寮長を包んだ。そして学園長のほうを向いた。

『ということで、スコット先輩はこのまま寮生として在学するということでいいですね？学園長先生』

「…わかりました。ではスコット君、もう騒ぎは起こさないように！」

「はい、学園長」

「では、今日からネスティリバー寮寮長はヴァンズ君に任せます。」

『ええ学園長先生。しっかり務めさせてもらうわ。』