ひこうき雲 ページ40
暑い夏。
先がどうなっているかわからないほどの
急な坂道に
陽炎が揺れている。
何年ぶりだろう。この街に帰ってきたのは。
昔は祖父母の家に戻ってくるたびに
アイツとこの坂を登って森まで行っていたが
もう坂の向こうの景色は
陽炎のようにぼやけて思い出せない。
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、
道の脇には昔ながらの店が軒を連ねる。
まだあのおばさんソフトクリームを売っているのか。
機械から出てくるソフトクリームを眺めるのが好きだった。
あの頃とは味のバリエーションが増えているが
迷わずにバニラを頼んだ
「何年ぶりかしら、勝己君を見るの」
6年前よりも目のシワが増えた店のおばさんが
お釣りを渡してくれた
爆豪「アイツの七回忌以来だな」
「あの子ね、Aちゃん」
暑さですでに溶け始めているアイスをひと舐めする。
Tシャツが肌に張り付いて気持ち悪い。
小さな子供が飛ばした紙飛行機が俺の元に来た
すぐに拾い上げて、返してやる。
「ありがとう！」
人懐っこい笑顔を見せて戻っていく
アイツも体調が悪い時はよく二階の窓から紙飛行機を飛ばしていた。
青い空に、真っ白な紙飛行機が飛んでいくのは
子供ながらに綺麗だと思った。
「死ぬにはあまりにも若過ぎた」
おばさんはやけに重々しくそう呟く。
「ハッ。アイツはそんなんじゃねーだろ」
最後の一口を食べきり、スプーンとコーンについてる紙をごみ箱に捨てる
アイツの命は飛行機雲みたいなんだ。
すぐ消えてしまうぐらい儚いけど
青い空によく映える
まっすぐで綺麗な命なんだ。
そろそろ行くか。
帰り際にもう一度坂を見上げる。
大きな積乱雲を目指すように
飛行機雲が伸びていくのが見えた
、
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お気に入りの白いワンピースに
おばあちゃん譲りの麦わら帽子を被った
俺の初恋の人が坂を登っていく。
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松任谷由実「ひこうき雲」
※個人の解釈です
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少女 A.(プロフ) - 「可愛いの一言」でソース顔とありますが、しょうゆ顔では？ (2019年10月21日 3時) (
レス) id: 2bf9d410f2 (このIDを非表示/違反報告)
よにきい(プロフ) - リンさん» ありがとうございます。なかなかhit数伸びないので凹んでいたのですごく嬉しいです。拙い文ですがぜひこれからもご愛顧ください。 (2019年7月30日 11時) (レス) id: 8454eeb3a4 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - やばい好きです…!!!!!こうゆう、無意味にイチャイチャするの読みたかったんです!!!!!!!何か元気出ました笑!!!!!これからも楽しみにしてます!!!!頑張ってください!!!!!!!!!!!!!!! (2019年7月30日 8時) (レス) id: a7e144bb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よにきい | 作成日時：2019年6月29日 11時
