春に君を想う【3】(Yuri.C)

December.あの日 ページ38

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山田side.


泊まってかない？ なんて言ったはいいけど、
俺の心臓はドクドクと脈打つ。

正直、この前のAの誕生日…
俺的には結構ショックで。
でもこれ以上Aを怖がらせてもいけないと思って、あの日は途中で止めた。

あれからなんかお互いちょっとギクシャクしてて、
この溝を埋めたいと思い今に至る。


「…あ、あのね」


Aは少し気まずそうな顔で俺をちらっと見る。

ヤバい、断られるかも
そう思った時、



「今日、わたし…その、あの日…なんだけど…」


恥ずかしそうに俯きポソッとそう言った。


ん？あの日…？って、
あ、そういうこと……？



「それでもいいなら、私も涼介くんの家に泊まりたい…。」


恥ずかしさからか、顔を赤く染めたAは
伏し目がちにモジモジしてる。


「も、もちろん！てかA、体調は大丈夫なの？ごめん俺、気付かなくて…。こんな寒い外に長時間いて、お腹痛くない？」


「あ、体調は大丈夫！凄く元気だよ。心配してくれてありがとう…。じゃあ、今日は泊まろうかな。」


なんてはにかみながら嬉しそうに
首をこてんと横に傾げて俺を見るA。

可愛すぎてもう…つらい。

今すぐその冷えた体をギューッと抱きしめてあげたいけど
こんな人混みじゃ目立って恥ずかしいから
家に帰ってからにしよう。



それから俺たちは家に行く前に
近くのデパ地下でケーキやチキンを買った。
Aはまだ未成年だから飲めないけど、
ワインなんかも買ったりした。
A用にシャンメリーも。


来年のクリスマスイブには、Aもハタチになってるし
お酒とか飲んだりするんだろうな。

その時君の隣にいるのは、俺であって欲しい。

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