春に君を想う【3】(Yuri.C)

December.違和感 ページ34

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12月も半ばに差し掛かり、クリスマスまであと1週間ちょっと。

私はクリスマスパーティーのためのプレゼントと
クリスマスイブに涼介くんに渡すためのプレゼントを
先週なんとか無事買い終えた。
…喜んでくれるか、自信はないけど。

クリスマスパーティー楽しみだなーって考えながら校内を歩いていると、
一人でベンチに座っていた知念くんを見つけた。
…知念くんの銀髪に、未だに慣れない。


話しかけようと近づくと、なんだか元気が無い様子で
溜息をつきながらスマホをボーッと見ていた。


「…知念くん、お疲れ様！」


なるべく明るい声で話しかけると、
ゆっくりとこちらを向き、優しく微笑む知念くん。


「Aちゃん。お疲れ様。」

私が知念くんの隣に座ると、知念くんはスマホをポケットにしまい、今日も寒いねーなんて言いながら笑った。


「そういえば知念くんは、クリスマスパーティーのプレゼントもう用意したの？」


「うん。すぐ決まったよ。」

なんて自信満々に言うもんだから、知念くんが何を買ったのか気になってしまった。
…いや、当日まで楽しみにしてよう。



「…… Aちゃんさ、なんか今日、違うね？」


「へ？そう？いつもと何も変わらないけどなぁ…。」


髪も特に切ってないし、服装だっていつも着てるやつ。
知念くんの言葉の意味がわからず、不思議に思っていたら


「… Aちゃん、香水、変えた？」


「あぁ！これ、涼介くんから誕生日にもらったんだ。…あ、匂いきつかった？」


「ううん。全然、……いい匂いだね。」


「ふふっ、ありがとう。」


知念くんはふと寂しそうな顔をする。
とくに最近は、その寂しげな表情をよく見る気がする。



「…知念くん、何かあった？」


「えっ？…なんで？」


私の問いかけに驚いた知念くんは
目を見開いてこちらを見る。



「いや、なんか…最近知念くん、元気ないって言うか…。私の勘違いかな？…もし何か私に出来ることがあれば、と思って。」



知念くんは少し俯きながら黙ったまま
なにか考えているようだった。

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