December.どうなりたい? ページ31
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有岡side.
「…あの、さ。俺がAちゃんに振られた日のこと、覚えてる?」
俺の言葉にビックリして俯いていた顔を上げ俺を見るAちゃん。
「…うん。覚えてるよ?」
「あの日さ、Aちゃん…知念のとこ行ったじゃん?だから俺さ、てっきりAちゃんは知念のこと好きなのかと思ってたんだ。」
Aちゃんは俯きながら静かにコクンと頷いた。
「でも… Aちゃん、山田と付き合ったからさ、俺ビックリしちゃって。いや、俺がどうこう言う権利なんて無いんだけどね!それに… Aちゃんが山田を好きなら、それはそれで良い事だと思うし……って、えっ?!」
Aちゃんをチラッと見ると、彼女の頬には一筋の涙が零れていた。
えっ、俺もしかして…やっちまった??
どうしよう、泣かせるつもりで言った訳じゃなくて、ただ単純にモヤモヤしててその理由を知りたくて聞いたのに…!
うわー!どうしよう、どうしよう…
俺がワタワタしてひたすら謝っていると、
Aちゃんは大きく首を横にブンブンと振って
「違うの、ごめんね…。大ちゃんの言葉が、今の私には刺さりすぎちゃって。」
えへへ、と泣きながら困った顔で笑うAちゃん。
あぁ…こんな時になんだけど…本当に可愛いな。
胸がギュッとなり思わず抱きしめたくなったけど、山田にシメられそうだからぐっと堪えた。
うん、俺えらい。
「…大ちゃん、あのね。嫌われるの覚悟で話すんだけど…聞いてくれる?」
そう言って、真剣な顔で話し始めたAちゃん。
Aちゃんは俺に全ての想いを話してくれた。
知念に告白して振られたこと
その後すぐに山田から告白されたこと
知念のこと好きでもいいから、って言われて山田と付き合い始めたこと…。
そして、そのうち時間が経てば知念のことは忘れられるって思ってたけど
結局忘れられなかったことも。
「……はぁ、私本当に最低…だよね。」
一通り話し終えたAちゃんは、
伏し目がちに俺に笑いかける。
「そんなことないよ!だって山田がそれでもいいって、言ったんでしょ?別にAちゃんは悪くないじゃん。」
「でも……!」
「そんなことよりさ、…… Aちゃんは今、幸せ?これからどうなりたい?」
「どう…なりたい…。」
「うん。」
「私は…誰も傷付けたくない。できれば今のままでいたい。」
そう言ったAちゃんの瞳には涙が溜まっていて
うるうると輝きながら今にもこぼれ落ちそうだった。
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ano(プロフ) - せりかさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!実は私もせりかさんのお話を読んでまして…コメントいただけて感動しておりました(⑅•ᴗ•⑅)更新頑張ります!これからも宜しくお願いします! (2022年1月16日 7時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして〜。おすすめから来たら面白くて1からパート3まで一気に読んじゃいました。主人公ちゃん気分で青春きゅんきゅんさせてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2022年1月11日 17時) (レス) id: 4fa3f7b9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ano(プロフ) - まみぽこさん» ありがとうございます!!コメントとても嬉しいです〜!これからもキュンキュン楽しんでいただけるように頑張りますので宜しくお願いします! (2021年11月7日 16時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
まみぽこ(プロフ) - 最近Hey!Say!JUMPの沼にハマってきた者です!すごくドキドキしたり 有岡くんが間に挟まれて可愛いなって思いました笑 更新頑張ってください!応援してます! (2021年11月6日 23時) (レス) id: 4a93bda961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ano | 作成日時:2021年10月6日 14時