November.勘違い ページ23
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「えっ…と、その……。」
どうしよう、なんか言わなきゃ
そう思っていてもなんて言ったらいいのか分からずモジモジしていたら、
「ん?どうしたの?」
って全く気にしない様子で山田くんが聞くもんだから
まるで私だけがドキドキしてるみたいで…少し悔しい。
「や、山田くんは…どっちがいいの?」
「えっ、俺?」
「…うん。」
「俺は…どっちでもいいよ?」
どっちでもいいって言うのは…どういう意味なんだろう。そんなに私に興味がないってこと?それとも…私に気を使ってくれてる?
「わ、私…は……、」
私は拳をぎゅっと握って
真っ赤であろう顔を隠しつつ俯きながら
意を決して言う。
「私は…山田くんが一緒に入りたいって言うなら……いいよ?」
「………へっ?」
しばらくの沈黙があり、山田くんが素っ頓狂な声を発した。
顔を上げて山田くんを見ると、目をぱちくりと開き驚いた表情。
「……え?」
思わず私も間の抜けた声が出る。
「いや、その……、お風呂先に入るか後に入るか、聞いただけだったんだけど……。」
「……え?」
えっ?なに?えっ?そういう事?!
自分の勘違いに顔が一気にカーッと熱くなる。
やばい、恥ずかしい!こんな勘違い恥ずかしすぎる!!
穴があったら入りたいとは、まさにこういう事を言うんだろう。もうこの場から消えてなくなりたいくらいだ。
「ちょ、Aちゃん顔真っ赤!」
山田くんはニヤニヤ笑って私の頭をポン、と撫でるんだけど、私はもうそれどころじゃないくらい恥ずかしくて泣いてしまいそうだ。
「……もう嫌。恥ずかしくて消えてなくなりたい。」
「あはは!ちょっと大袈裟だって。」
「だって〜…山田くんが紛らわしいこと言うからっ!」
「えっ?俺?そっか、ごめんね?」
そう言って優しく頭を撫でたあとに、後頭部を手のひらで支えながら軽く触れるだけのキスを落とす。
「…これで機嫌直った?」
なんて微笑む山田くんはまるで王子様みたいだった。
「……はい。」
「ふふっ、それは良かった。…ところでお風呂はどうする?」
「あ、えっ…と…」
「もしかして…一緒に入ってくれるの?」
ジッと真っ直ぐ私を見る山田くんの瞳に吸い込まれそう。ドクンと胸が高鳴る。
「い、いやその…それはちょっと恥ずかしすぎるっていうか…っ」
「…そうだよね。じゃあ、Aちゃんお先にどうぞ?」
山田くんのお言葉に甘えて私は先にお風呂に入ることに。
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ano(プロフ) - せりかさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!実は私もせりかさんのお話を読んでまして…コメントいただけて感動しておりました(⑅•ᴗ•⑅)更新頑張ります!これからも宜しくお願いします! (2022年1月16日 7時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして〜。おすすめから来たら面白くて1からパート3まで一気に読んじゃいました。主人公ちゃん気分で青春きゅんきゅんさせてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2022年1月11日 17時) (レス) id: 4fa3f7b9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ano(プロフ) - まみぽこさん» ありがとうございます!!コメントとても嬉しいです〜!これからもキュンキュン楽しんでいただけるように頑張りますので宜しくお願いします! (2021年11月7日 16時) (レス) id: 7a1710a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
まみぽこ(プロフ) - 最近Hey!Say!JUMPの沼にハマってきた者です!すごくドキドキしたり 有岡くんが間に挟まれて可愛いなって思いました笑 更新頑張ってください!応援してます! (2021年11月6日 23時) (レス) id: 4a93bda961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ano | 作成日時:2021年10月6日 14時