春に君を想う【3】(Yuri.C)

November.おもてなし ページ21

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「お邪魔します…。」

「どうぞ〜。」


山田くんのお家にはもう何度も来ているのに、今日はいつも以上に緊張する。
相変わらず綺麗に整頓されているお部屋。山田くんって欠点が見つからない完璧な人間なんだなぁって改めて思う。

途中でスーパーに寄って今日の夜ご飯の買い出しをしたり、お泊まり用の歯ブラシを買ったりした。
なんだか付き合いたての恋人同士って感じで、恥ずかしいような嬉しいような。


「適当に座ってて？俺ご飯の準備してるから。」


「私も手伝うよ！」

そう言ってキッチンに向かったんだけど、山田くんは私の肩に手を置いて


「いいの、Aちゃんはゆっくり座ってて？」

「でも…。」

「いいからいいから。」

私の背中をグイグイ押してソファに座らせる。


ポスッとソファに座った私に
ちゅ、と優しく口付けをする。

「…大人しく待っててね。」

まるで子供みたいな扱いをされつつ
優しくポンポンと頭を軽く撫でられた。


「…はーい。」

「ふふ、いい子。」



大人しくソファに座りテレビを見ながら待っていたんだけど
キッチンから聞こえる野菜を切る音とか、楽しそうに口ずさむ山田くんの鼻歌とか
途中からお料理のいい匂いがしてきて
私は幸せだなぁ…なんて思いながらニヤニヤしていた。





「Aちゃんおまたせ〜。」


名前を呼ばれ、テーブルの上を見ると
ズラーっと並んだ…まさかの和食料理。
炊き込みご飯や肉じゃが、煮付け料理などなど、
まるで料亭のような豪華ディナー。


「えっ…！すごい…！」

「へへ、Aちゃんのために頑張っちゃった。」


山田くんって本当に料理が得意なんだ。前によく知念くんに料理を作ってあげてるって言ってたけど…こんなに豪華な料理が出来るなんてビックリ。


「じゃあさっそく食べようか。」

「うん。いただきます！」


ぱく、と炊き込みご飯を一口いただくと
めちゃくちゃ美味しくて。
自然と笑顔が溢れる。


「美味しい〜！山田くん、天才なの？！」


「ははっ、大袈裟だなぁ。でも喜んでもらえて良かった。」


それから他の料理も食べ進めたけどどれも美味しくて…ついつい食べすぎてしまった。
山田くんって料理も完璧なんだな…もう欠点無さすぎじゃない？！

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