部屋の隅のホコリ的なアレ【d!】 (ページ45)

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「俺らいつ名前呼び許すほど仲良くなったん？それに気づいとらんの、俺と仲いいやつは俺の事大って呼ばんよ」

教室は爆笑に包まれた。
触んなきっしょいわ、と鬱が手を振り払ったことで更に笑いが起こる。
大して仲良くもないのに名前で呼んでくる、と色んな人から言われていた真那。鬱のその言葉にナイス！と声が上がりまた笑い。
隣にいたコネシマが鬱の背中をバンバン叩いて爆笑するさなかで、鬱は未だ目の前にいる真那にこう言った。

「あとさ、俺可愛い子の味方しかしないねん」

ごめんなぁブスと追撃したところで真那は走って教室から出ていった。
あーあ、授業中なのに。と鬱がつぶやく。
その目はどこか楽しそうだった。

……………

「清々したね」

「せやな」

放課後誰もいなくなった教室でクスクスと笑い合う。
一世一代の名演技だと言っても過言ではないほどの私の演技で真那は完全に人望を無くした。そして教室に来なくなって1週間。
グルッぺンと私が話してる時に割り込んでくるのがゾムやコネシマなど仲の良い面子だけになったのでとても楽だ。
それにしても、LHRでのあの糾弾は本当に驚いた。何かしらやりかねないとは前々から思っていたけど、それにしてもである。

「ここまで上手くいくなんてなぁ」

私のそのつぶやきに大きく頷くコネシマ。なんだかそれが面白くてグルッペンと顔を見合わせて笑い合うと、伝染したように笑いが広がる。笑いの種のコネシマも笑っていた。
打ち上げでも言っちゃう？なんて誘えば賛同の声がたくさん上がる。
とりあえずファミレスかな、なんて思いながら、教室を後にした。

……

かくれんぼ中だった一般モブside

「ここまで上手くいくなんてね」

と声が聞こえた時、完全に場所選びを間違えたと思った。部活の仲間とのかくれんぼで俺が隠れ場所に選んだのは3年5組のロッカー。
そして今教室にいるのは3年5組の一軍集団と3年生の中でも有名な人たち。頼むから何が上手くいったのか教えてくれ、本当に。
バレたくない一心で息を潜めながら彼らの会話を盗み聞きする。罪悪感には蓋をして。

「にしてもA、名演技やったなぁ！」

バシバシと背中を叩くような音が聞こえる。多分この声はうちのクラスのヤンキーの捏島くん。
名演技とはなんだ、と思っていると段々ざわめきが広がっていろいろな情報が耳に入ってきた。

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