部屋の隅のホコリ的なアレ【d!】 (ページ30)

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「グルッペン！？幼なじみ無事か！？」

あ、知ってる人。副会長のトントンさんと、その後ろにいるのは保健医のしんぺい先生。
顔面が大惨事になっている私を見た2人はそれはもう面白いくらい顔を真っ青にして、トントンさんはコネシマさんとオスマン先輩をぶん殴りに。しんぺい先生は私の方に来てグルッペンの肩を優しく叩く。

「グルッペン、その子医務室連れていこう」

優しく声をかけるしんぺい先生に返事をせずにグルッペンは私を抱き上げる。正直暫く動けないのでありがたいけど鼻血が付くからやめた方がいいんじゃないかな。
保健室までの道すがらでグルッペンが口を開いた。

「アイツらにはキチッとケジメつけさすから」

ケジメ。私でも知っている。小指をずどーんのやつ。
さすがに可哀想というかなんというか私も後味が悪いのでグルッペンの服に縋り付く。

「さすがにそれはかわいそ、ぅ゛」

……歯が抜けている。2本くらい。あと喉に血が入って喋りにくい。
一瞬ケジメつけさすかぁと思ったけどグルッペンが「じゃあやめとくか」と言ったのでやめた。でも何回か殴らせて欲しいかも。
私の様子を見ていたしんぺい先生が先に行っててと言ったのでグルッペンと2人で保健室に。
その頃にはさすがに立てるようになっていたので自分で立ち上がり椅子に腰かける。
重い空気が立ちこめる中でグルッペンが喋りだした。

「…俺の家の間取り図には組の人間以外には教えとらん部屋の場所が書いてあった。それが流出して、犯人を3人に絞った時点でアイツらは話も聞かずにお前んとこに。……お前は俺ん家にたくさん来とるから、候補からは外せんかった。」

ぽつぽつと、罪を告白するかのように。下を向いて苦しそうな悔しそうな表情で。
まぁ、しょうがないのかな。とも思う。ヤクザ？極道？ってそういうものだろうし。
でも殴られたのは納得いかないからグルッペンのおでこにデコピンを食らわせてやった。
おでこを抑えて顔を上げるグルッペン。その姿がすごく滑稽に見えて思わず吹き出す。しばらく腹を抱えて笑っているとしんぺい先生が戻ってきて、私たちを見て不思議そうな顔をした。

「手当したいとこだけど歯が先かな」

しんぺい先生が手に持っていたのはコップに入った牛乳だった。その中に抜けた歯を入れろと。
理由は知らないけど従っておく。

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