部屋の隅のホコリ的なアレ【d!】 (ページ29)

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唐突の殴打に驚きが隠せない【？】ページ29

学パロだしヤクザパロでもある
…

前略。放課後学校内を歩いていたらいきなり空き教室に連れ込まれ、生徒会3年の金髪に顔面をボコボコにされています。そのうえその様子を部活の先輩のオスマン先輩に撮られています。

私、何をしたのでしょうか。

「お前やろ、幼なじみの立場利用してグルッペンの家の間取り図流したの」

私に馬乗りになって拳を打ち込むさ中金髪がそう呟いた。
……少し待って、考えさせて欲しい。
グルッペンの幼なじみ←わかる
幼なじみの立場利用←まぁわかる
グルッペンちの間取り図を流した←！？！？！？！

どう考えても冤罪です。本当にありがとうございました。

確かに私はグルッペンの幼なじみである。2つ下だから可愛がられていた自覚もあるし甘えていた自覚もある。グルッペンちのどこに何があるかも大体知ってるしヤのつくアレを継ぐことになっているのも知っている。
でも間取り図とはなんだ間取り図とは。私そんなの知らないし間取り図流されて困ること……あるから殴られてんだろうか。
…数分間殴られ続けてだんだん頭もぐわんぐわんしてきた。ずーっとなんで殴られてるんだろうとか骨逝ったかなとか顔歪まないといいな、と考えていたが、頭も回らなくなってくる。

幸いな事に頬は折れた感覚がしない。鼻は怪しいけど。口に鼻血入ってきたし。もう考えても無駄なので意識を手放してもいいのかもしれない。
と、思った時だった。

いきなり殴る手が止んだ。

衝撃が止まったせいで恐ろしいほどの痛みに襲われる。でも周りの状況は把握しなきゃと思って目を開こうとした。
…開かない。腫れてる。
完全に開くのは絶対に無理なので薄く目を開いて、痛む首を回して周りを見回す。

ヒーローみたいだ、と思った。

そこにいたのは金髪とオスマン先輩を殴り飛ばしたグルッペン。
じわり。安心してしまって目の奥が熱くなる感覚がする。走ってきたのだろうか、その肩は大きく震えていた。

「グルッペン」

よかった声は出た。か細いものになってしまったけれど。私の声を聞いて弾かれたように振り向いたグルッペンは私の上体を起こして優しく包むように抱きしめた。

「ごめん、ほんっまにごめんな、痛かったやろ？」

ぽた、と頬に温かいものが落ちて、グルッペンが泣いているんだと思った。今まで私の前で泣いたことなんて無いくせに。
グルッペンの貴重な泣き顔を眺めていたらばたばたと足音が聞こえてくる。

…