死に囚われた人【第五人格】 (ページ5)

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「エマ、エミリー、トレイシー、フィオナ、ウィラ、マーサ、ヘレナ、マルガレータ、パトリシア、デミ…で、合ってる？」

女子だけでもいっぱい。正直覚えられるかと言われたら自信はないけど、頑張る。女の子だから。

あの顔合わせの後、ゲームから帰ってきた人達も含めてしっかり自己紹介した。ファーストネーム？がAって事もちゃんと言ったよ。

ここに来てまず気になったことが言語。
皆英語とかのはずなのに、何故か問題なく話せているのだ。なんでも、招待状を受け取って、尚且つここに来たいという明確な意思があると何故か通じるようになるんだとか。美智子さんが言ってたから間違いない。

歓迎会は明後日ちゃんとするらしい。今はとりあえずエマに部屋まで案内してもらってる。エマとエミリーだけ普通に呼んでる。さん付けってエマとかエミリーからしたらどう聞こえてるのかな。
私の部屋は2階の角部屋。ポストマンって人と隣だった。なんかやだな、女の子がよかった。まぁその人は話さない、話せない？らしいからいいけど。
１階の部屋からここに来た順で割り当てられているらしいけど、同じ日に来たエマとエミリーは隣同士なんだって。いいなぁ、なんて思ってたらもう部屋に着いた。八畳くらいかな、結構広い。

「…もし、寝れなかった、エマの部屋行ってもいい？」

エプロンの裾を少し引っ張って言ってみる。
昔からだった。初めての空間だと中々寝れないから昔はよく夜更かししてた。でもエマとならあったかくて寝れそう。

「もちろんいいなの！」

向日葵みたいな笑顔。この人ほんとに年上か疑いそうになるけど年上なんだろうなぁ…。てかデミさんのお酒飲めるから年上か。当たり前じゃん。
快く了承してくれたエマは、18時にまた食堂へ来てという旨のことを伝えてから下へ降りていった。

…さて。時間までまだまだあるから部屋の物を見て回るか。
まずデスク。簡素な机にスタンドライトが置いてある。あと横に本棚。ベッドは灰色のパイプベッドだ。汚れてるだけかもしれないけど。
エマによればゲームでエコーというここでの通貨を貯めれば色々買えるらしい。服も。
エコー貯めて180cmぐらいのロフトベッド買おうかな。あるかわかんないけど。梯子じゃなくて収納階段の。下のスペースに大きいオットマン敷き詰めて、余った幅にテーブル置いてテレビでも…って思ったけどまずテレビあるの？ここ。
まぁでも試合観戦用のモニターあるし。あるでしょ。