死に囚われた人【第五人格】 (ページ3)

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「…これまた凄い子が来たね。」

そう言ったのは確かイライ・クラークって人。
正直名前とか覚えてないし覚える気もないんだけど、覚えないと後々面倒くさそうだな。

「まぁ、普通の人はここには来ないでしょうね。」

皮肉たっぷり、目は合わせずに言ってみれば彼は軽く額に青筋を立てた。おお怖い。

「面白い事言う子だなぁ」

その声は無視して女子グループの方へ向かう。
あそこならエミリーさんもエマさんもいるし。あんな胡散臭さ満載のフクロウオトコみたいな人いないし！
と思ったが行こうとして背を向けた途端に別の人に声をかけられてしまった。

「…おい、お前…シノハラ、」

「なんすかまじで…。」

なんだここの男は。女子高生に話しかけて何が楽しい。まぁ日本人は居ないだろうし外国基準じゃ普通なのかもしれないけど、けど…。
馴れ馴れしいんだよ！なんで初対面の女にそんな話しかけれるの？すごいね私役に立たないしすぐ死ぬ予定だからそういうのやめてほんと。

「いや、お前変だなーって思って。」

「あ、そうですか…。」

すいませんね変で。確かに！？外国の！？整った顔の人から見れば！？変かもしれませんが！！！
私にとっては普通なんだよ。黙れチビ。
確かこの人はナワーブって人。サベダーだっけ。覚えられないわ。
今は顔合わせってことでゲームに出ていなくて来てくれる人だけが来ているらしい。

う゛っ、エマさんとエミリーさんのところに行こうとしたけど私女子グループに突っ込めるほど陽キャじゃなかった。
途方に暮れているとハンターの美智子？さんが気付いて手招きしてくれた。やさしい。
美智子さんも日本の出身って言ってたから仲良くなれそうで好き。
みんな盛り上がってるのでスっと美智子さんの隣に入るとこっちに微笑みかけて話しかけてくれた。見た目だけじゃなくて中身も美人さんだ…。

「Aはんも日本の出身なんやってねぇ。うちも日本やからうれしいわぁ。」

「私も日本出身のお方がいて嬉しいです。美智子さん、芸者さんなだけあってお綺麗ですね。」

「やぁだ！世辞がお上手な嬢さんやねぇ。」

「お世辞なんかじゃないですよ。ほんとに綺麗…。」

これはマジ。え、めっちゃ綺麗じゃない？美智子さん。私隣にいたらファンの人に刺されそう。
2人で話していたらいつの間にやら女子たちの会話は止み私たちをガン見していた。こわい。

「A、中身もいい子なの！」

唐突にエマさんがそう言って私を抱きしめた。あったけぇ。