【とうらぶ】０から始める刀剣乱舞

24.ためらい ページ24

｢えっと……出来ました｣

｢？ああ｣


机の前までご飯を運んで声をかける。

山姥切さんは立ったままの私を見上げて不思議そうにこちらを見ていた。

出来たといいつつ料理を置かないんだから当然か。

しかし、まあ、なんというか、


(置きたくない………！！！)


なにせ相手は私より500年以上生きているお刀様なのだ。

昔の本格的な日本料理など私が作れるはずもない。

そもそも和食をあまり作ったことがない。

しかも彼が人の身となってから初めて食べるごはん。

それがこんなのでいいのだろうか…と思ってしまう。

見た目は悪くないと思う。けれど、刀って、こう、なんか威厳とか持ってるんじゃないか。

こんなもん食えん！とか言われたらどうしよう。日本の料理はこんなんじゃねえ！とか。

まずいのを我慢して黙って食べられるのも辛い。


(なんで私一緒に食べましょうなんて言っちゃったんだろ…。でも一人だけ食べるなんて申し訳なくて出来るはずないし…。

それこそ『無礼者ォ！』だよ…)


｢？何やってるんだ？早く置けばいいだろ？｣

｢う…。ごめんなさい…｣


(ええい、ままよ！)


向かいの位置に移動して、かがみながら料理を置いていく。

すべて置き終わってから、私も自分の席に腰を下ろした。

おぼんを正座している太腿の上に置く。

どんな表情をしているのか確かめるのが怖くて、足に視線を落としていた。


｢…これは？｣

｢……肉じゃがと…焼き魚と……きんぴらごぼうと、白米と、油揚げとお豆腐とわかめのお味噌汁………です｣

｢………｣

｢………｣


(沈黙つら…！)


(や、やっぱりまずかった？

なにか間違って…

っていうか肉じゃがって和食？和食だよね、和食ってつまり日本食だよね？

そ、それともやっぱりバランス的なのが悪いのか？

和食とか普段作らないからわからないよ誰か教えてください…！)




｢………食わないのか？｣

｢えっ！？あっ、ハイ食べましょう！｣



(問題ないんだ…。なんて分かりにくいの…。なにか見た目的にまずかったのかと思った。)

今日はものすごく脳内が忙しい。

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