07. 現在と未来 ページ8
最後って軽々しく言うもんじゃねぇよ。
その言葉に目を見開いて彼を直視する。
「親父が言ってた」
凡人こそがいい医者になるってな。生憎、俺は凡人って器じゃないんでね。
まだ彼が何を言いたいのか分からない。
ただ、私を見る彼の目が温かすぎて止まったはずの涙がまた流れ始めた。
いつもとは違う痛みが心臓を通った。
「お前だけで良い。お前を直すだけで良い。
それでお前が俺を良い医者だと、良い恋人だと思ってくれるなら充分だ」
本当に今までも、これからも彼に敵いそうないや。
心からそう思った。
*
「邪魔、しちゃったのかな？」
「...別に」
どう見ても走って来ました、雰囲気の彼にクスクスと笑いながら手を前に出した。
「お握り買ってきたけど一緒にどうですか、先生？」
「貰うに決まってんだろ、行くぞ」
温かい手に自然と笑顔になる。
歩幅を合わせ、並んで歩いてくれる彼にふと、言いたくなっちゃった。
「私にっとって一番の医者であり、恋人なのは征司�討世韻世茵�
今までもこれからもずっと、ね」
当たり前だと言いながらも彼の唇が弧線を描いてるのが見えた。
彼の隣に並んで、他愛ない話をするこの瞬間にとてつもなく幸せを感じる。
太陽の光で光ってる彼と私の指を見ながら幸せを噛み締める。
*
「あ、悪魔が笑ったぞ！」
「あの人ってあんな優しそうな顔もやれるんだな」
「絶対、化けた狐とかでしょ」
「ねぇ、大好きだよ」
「ああ」
「征司�討蓮�」
「...愛してる」
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2300hitありがとうございます！
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作者名：ニート希望 | 作成日時：2019年6月3日 0時
