11. 異変(5) ページ16
「私は医者じゃないからその機器がどれだけ凄いのか、医療界の未来がどうかは言えません。
でも、ひとつだけ私が言えるのは、私の心臓を治せるのは彼しかいません」
私は彼を信じてるし、あの日から既に私の心臓は彼のものだったから。
「私が今日まで生きてこれたのも彼のお陰なので」
うっすら笑いながら指輪を撫でると高階先生は呆れたように目尻を下げ、私を見つめた。
「何故、渡海先生があんな溺愛っぷりを見せてるのか、ちょっとだけ分かった気がします。
お騒がせしてすみませんでした。それではお大事に」
*
「大丈夫だったか」
「ん？」
「アイツ、変なこと喋らなかったのかよ」
素直に言えば余計に心配されるから首を横に振った。
うん、あの顔は絶対信用してないな。黙っていた私を見つめる彼の手を握った。今度は強く、固く。
「私の心臓を治せるのは征司�討世韻世噺世辰箸い燭�ら大丈夫」
彼は軽く笑い掴まれてない手で私の頭を撫でた。
まるで良くやったな、とでも言ってるようで少し気持ちが高ぶる。
だから、夢の世界に連れ込まれてる意識の向こうで彼が黒い笑みを浮かべたのは見なかったことにしよう。
高階先生、どうかお大事に。
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文字数の制限で自分でもこれ長いなと思うくらい長引いちゃいました。
書いた時は三つくらいで分ければ良いんじゃないかと考えましたけど全然違いました。まさか5まで来るとは...
最初に用意した話はこれで終わりですがリクエストはいつでも受付中なので気軽にコメントして下さい(^-^)
最後までありがとうございました。
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作者名：ニート希望 | 作成日時：2019年6月3日 0時
