【ブラックペアン】あなたに約束を (ページ2)

今日:9 hit、昨日:41 hit、合計:87,107 hit

01. 日常ページ2

「お前、寝過ぎ」
「講義は？」
「終わった」

その言葉に時計を確認する。

針はもう12時を過ぎていた。寝過ぎって言う彼の言葉を否定できなくなる。

ダメ人間だな、と呟いていたら彼が水を持って来た。

「どうせ薬も飲まずに寝てただろー」
「...ありがとう」

ベッドの横にある引き出しから薬を取る。慣れた感覚が喉を通った。

好ましいことではないが、もうそれにつべこべ言う時期でもなかったのでただ、飲み掛けの水を飲み干した。

私が薬を飲み終えたのを見てから彼の手が額を包む。熱の確認だ。

体が丈夫でない私は他の人からしてはちょっと怠いなと思うだけの熱でも大事になるかも知れないので常にチェックしないといけない。

「調子は」
「抜群！」

彼はちょっとだけ安心した様な様子で空っぽになったグラスを手に取った。

これももう十数年のやり取りでてっきり慣れてる。

眠気のせいで気怠い身を引きずり、卵を取ってる背中にくっつく。

かすかに香る煙草とローションの匂いで心が落ち着いて来た。

「今日は卵かけご飯じゃないの？」
「お前昨日にまたこれ、とか言っただろ」

確かに言った。

だって、いくら好物と言っても流石に4日連続はキツイから。

それで今日は卵焼きなのか。

彼の優しさに微笑んでくる。

まぁ、結局卵なのには変わりないけど。