じゅうご。 ページ16
Aside
私はカルマと別で帰った。カルマが本校舎の子に呼び出されたからだ。
私はドアを開け、溜まっていた洗濯物を洗濯機に放り込んだ。
スイッチを押して、夕ご飯の支度を始める。
すると、カルマからメールが来る。
《カルマ》
さっき告られて付き合う事になった。
今から彼女と家に行くから、よろしく。
ショックだが、一緒に住んでいる私の方がカルマと一番近いはずだから…と気をとりなおす。
業「ただいまぁ」
彼女「お邪魔しますっ」
業「いいよ、俺のうちなんだからそんなにカチカチしなくて」
足音が近づいてくる。
不意にカルマが耳打ちしてくる
業「A、あいつと2人きりにしてくれる？7時までには帰ってくれればいいから」
7時までどっかに行けと？
プンプンしながら部屋を出ると、声が部屋から漏れてきた。
業「好きだよ？詩央里？」
彼女の名前は詩央里と言うらしい。
詩「私もだよ？カルマくん」
Chu
私は気絶しそうになった。私よりもカルマはあの子が好きなんだ…
私は制服のまま、外に飛び出した。
外は雨が降っていた。私の涙と一緒に雨粒も流れ落ちる。
Yシャツも濡れて、肌が透けて見えている。
小さな公園のベンチに座り顔を覆って泣き出す。
だれも気づいてくれない、1人の少女。
スマホがポケットの中で振動する。
発信先はカルマ。着信拒否する。ポケットにまたスマホを戻すと、涙が溢れる。
初めての恋の、初めての失恋は私のハートに大きな傷をつけた。
どんなに薬を使っても、愛の言葉をもらっても、恋が叶っても治る事もない傷。
泣けば泣くほど、傷に涙が滲みていたい。
ずっと泣いていると、7時を過ぎる。
7時に帰ってきてって言ってたけど、カルマに私は要らない。
詩央里ちゃんといればカルマは幸せなんだ。
私「カルマ、お幸せに」
つぶやくと私の家に向かって歩き出した。
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作者名：妄想girl夏実☆ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mousounatumi/
作成日時：2016年6月6日 20時
