伊野尾・Ｋside ページ42
ニ｢さ、休みましょうか。Ｋは手が綺麗ですから、ピアノが弾けたら格好いいだろうな〜｣
｢ほんとに！？でも俺見たこともないよ｣
ニ｢ピアノありますが、見てみたいですか？｣
ニノは、ただ自慢したかっただけなんだろう。
ピアノ上手かったし。
でも俺がハマるとは予想してなかったと思う。
ニ｢そうそう。ここがドで……｣
ま、ギターにはハマらなかったけど。
そう考えてみると、俺らはこの時が一番自由だったのかな、なんて。
ハッキングの練習は好きな時間に好きなだけ。
ニノが喜んでくれたし、早く終わればピアノ弾かせてあげる、とか言われたからつい本気になって練習して。
当時は遊びだった。
・
でも中学一年生、６年後のこと。
ニ｢会長、何故─｣
会｢k617は黙ってろ。i622着いてこい｣
早朝に会長という男が部屋に押し入ってきた。
ニノはk617と呼ばれ、俺もi622という謎の記号で呼ばれていた。
ニ｢……ごめん｣
ニノが素を出したのは、この瞬間だけだ。
抵抗していたが、俺の想いも空しく抱き抱えられてしまった。
会｢入れ｣
そこは子供の泣き声が聴こえる廊下を通った先の、真っ暗な部屋だった。
会｢中にいるのはr509だ｣
それだけ言うと、外から鍵を閉められ二人だけの空間が出来上がった。
r｢君は？｣
｢i622って、呼ばれた｣
もうすっかり暗くなるまで話した。
朝からご飯を食べてないし、暗闇で顔も知らない相手だったけど、自然と怖さは無くなっていた。
唯一あったベランダから見えた月の光に照らされた相手は、とても綺麗な顔をしていた。
r｢俺、山田涼介って言うんだ｣
｢俺は……伊野尾慧｣
r｢また会えるといいね｣
｢は？｣
r｢ここから飛び降りれば、売られないでしょ？｣
｢売られる？｣
r｢俺達、売られるって。さっき男達が人身売買って言ってた｣
さっき話した。
涼介には親がいて、でもその人達は最低な人達だった。
俺と同じだったんだ。
r｢早く死にたいんだよ｣
ベランダから足を出して体を乗り出そうとしている。
｢待って！俺を一人にすんなよ！｣
r｢なに、言ってんだよ｣
｢死にたいなんて絶対に言わないで。君には、俺がいるから｣
r｢そんなの信じられねぇよ｣
｢俺も同じだ。ずっと、虐待されてきた｣
だから
｢お願い｣
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柊(プロフ) - 伊野尾 稀徠さん» ありがとうございます！これからも宜しくお願い致します！ (2017年12月18日 19時) (
レス) id: f1b28b9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾 稀徠 - とても面白いですこれからも頑張ってください (2017年12月18日 18時) (レス) id: 14c2650ddd (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 皆さん！作者の柊です！話の中に載せるにはあまりにもどーでもいいことなのでこちらに書きたいと思います。本日５日目にして順位が更新されたこと、恥ずかしながら嬉しく思います。これからも、どうか宜しくお願い致します！ (2017年12月17日 11時) (レス) id: f1b28b9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2017年12月12日 0時
