薮・Ｙside ページ37
話は前に少しだけしたよな。
だからこれは、その後の話。
Ｋ『Ｏ、そこだよ』
Ｏと比べ親の居場所が近かった俺は、その時既に家に侵入できていた。
無防備な訳じゃないけど、俺は怖かった。
Ｏのように親だ、と思えなかった。
目の前で眠る二人に、初めて会ったから。
だから何も、感じなかったんだよ。
その時までは。
油断をした。
勝手に寝ているものだと思い込んで寝室に入った。
たぶん気配を悟ったのだろう。
俺が近づくと同時に男の方が起き上がった。
男｢お前何者だ｣
｢名乗るわけねぇだろ｣
こんな奴等に名乗っても、意味はない。
どうせ死ぬなら。
こいつらから貰った名前なんていらねぇよ。
睨み合いが続くとこ約２分。
異変を察知したのか男が知らせたのか、女も起き出した。
女｢ねぇ何ご─｣
まだ眠気が醒めていない女は放っておき、先に目を逸らした男を仕留める。
苦しみ悶えていたけど、辛くなかった。
何故か男の方は、父さんはどうでもよかった。
男｢……宏、太か？お前、宏太、なんだろ？｣
焦っただけだ。
気がつけばひたすら数ヵ所を赤く染め上げていた。
女｢止めて！お願い、止めてあげて！｣
後ろから抱き付いてきた女を振り払おうとしても、
所詮子供。
男女差は殆んどなく、大人の女が優勢だった。
血だらけのカッターナイフを取り上げ、俺に向けた。
女｢宏太。私は貴方をそんな風に育てた覚えはないわ｣
｢誰が育てたって？親ぶった言い方すんなよ！｣
女｢私は、貴方を愛してたのよ｣
｢捨てたくせに今更命乞いかよ｣
女｢本当よ！信じて！｣
ムカついた。
帰り血を浴びても気にならなかった。
ただ俺が辛い思いを味わわされたことだけが憎らしくて、消えてしまえばいいと思った。
Ｋ『ﾎﾞｿｯ)Ｙ、殺りすぎ。戻ってきて』
インカムからの声は冷静で、逆に俺の心を掻き立てた。
胸には、心臓だけは刺すのに抵抗があったからか
まだ意識があった様だ。
女｢宏太……これだけは、聞いて……｣
弱々しい女の手が、俺の腕に爪を立てた。
女｢貴方を……守れて、よかった……｣
力尽きた女は、目の前で静かに目を閉じた。
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柊(プロフ) - 伊野尾 稀徠さん» ありがとうございます！これからも宜しくお願い致します！ (2017年12月18日 19時) (
レス) id: f1b28b9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾 稀徠 - とても面白いですこれからも頑張ってください (2017年12月18日 18時) (レス) id: 14c2650ddd (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 皆さん！作者の柊です！話の中に載せるにはあまりにもどーでもいいことなのでこちらに書きたいと思います。本日５日目にして順位が更新されたこと、恥ずかしながら嬉しく思います。これからも、どうか宜しくお願い致します！ (2017年12月17日 11時) (レス) id: f1b28b9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2017年12月12日 0時
