青とフードⅣ (ページ9)

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35、＊ページ9

Ｃside

電話を切ったは良いものの、何も、出来なかった。

二人目だよ。

今日だけで、二人も。

Ｔ｢Ｃ？…………どうした！？どうしたんだよ！｣

｢ＹとＨがもうすぐ帰ってくる。Ｈは怪我してないけど、Ｙが気を失ってるらしい。数ヵ所を刺されてるって。皆にも、伝えといて｣

Ｔ｢あぁ、分かった………………大丈夫だからな｣

呆然と立ち尽くす僕の頭を、Ｔは慰めるようにポンポンと撫でてくれた。

それだけで、僕の心は癒されていく。

Ｔ｢Ｋには、伝えない方が良いか？｣

そっか、Ｋは二人がいなくなっただけでも自責の念を抱いてる。

｢ううん。どうせ分かっちゃう事だし。ごめんね｣

言いたいのは“ごめん”じゃない。

“ありがとう”なんだ。

愛情を与えられなかった僕達は、それすらも言い慣れない。

Ｔ｢だから、Ｃの所為じゃねぇんだ！Ｙは、強いよ｣

｢分かってるって。早く行って｣

どうしても強がることしか出来ない僕を、Ｔはクスッと笑って部屋から出ていった。

僕は、なんでここにいるんだろう。

たまに思うんだ。

Ｃとして。

知念侑李として。

僕は、どちらで生きるのが正しいのか分からないんだ。

幾ら考えても答えが出ない謎に、僕らはどう立ち向かえばいい？

父さん、母さん。

僕は、あれで良かったの？

助けてよ。

僕じゃなくて良いから。

仲間が、これ以上傷つかないように。