青とフードⅣ (ページ20)

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山田side

誰かに、殴られた？

俺らの家で寝た時までは覚えていると語ってるんだ。

大貴が起きてきた時は既に目が覚めていたとも。

その後、男に連れ去られたと言う。

そこからの記憶が曖昧らしいんだけど

問題は、殴られたということ。

｢なに？殴られたって｣

伊｢それが……これ、見てくれる？｣

伊野ちゃんが差し出したのは自分の腕。

手首だけが見えるように長袖のシャツを捲っていった。

ロープの痕のようなくっきりとした痣が、真っ白な手首に残っている。

有｢これ、どうしたんだよ！｣

伊｢こんなことされた記憶が無くて！殴られて、たぶん気を失っちゃったから｣

ま、見るからに弱そうだから何発か殴られて直ぐに気絶しちゃうのも納得できる。

｢何で隠してたの？｣

伊｢あまり心配されたくもないし、言ったところで、何も｣

｢そうだけど！｣

有｢涼介！今から警察行くんだぞ？後で落ち着いてから話そ｣

大貴に宥められ、お互い無言に。

マズイ、と思って話題を持ち掛けようとしていたら、いつの間にか警視庁に着いていた。

今朝も来たよなw。

そう思ったのは、言わないでおこう。