青とフードⅢ (ページ42)

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Ｙside

この部屋に

謎の男が来ている。

誰だ？って聞きたいけど

眼圧がその邪魔をする。

でも何処かで会ったことのあるような

苦しいモヤモヤっとした感じがあって、気持ち悪い。

Ｈ｢なぁ、あんた何なわけ｣

よく聞けるな、こいつ。

？｢Kを知らないか？｣

それはＫの居場所を、ってことでいいのか？

Ｈ｢居場所は知らねぇよ。帰ってくれ｣

そうだなぁ。

考え込んでるんだけど、マジ誰なの？

？｢探さないのか？｣

Ｔ｢探さなくたってその内帰ってくるだろ｣

？｢甘いな。ま、Ｋがどうなっても知らねぇよ｣

｢どういうことだ？｣

フッと裏がある笑みを浮かべて一瞬で姿を消した。

Ｎ｢はぁ！？今の何！？｣

｢落ち着けって。Ｋが危険だってことだよな…………今のって、まさか会長じゃ｣

Ｃ｢ちょっと部屋見てくる｣

前と同じ状況なら、きっと部屋にいる筈だと思ったんだろう。

Ｏ｢いたら良いんだけどね｣

最近仕事も増えてきて、Ｋが部屋に籠ることも多くなった。

唯一姿を見せるのは、帰宅直後と飯の時だけだ。

Ｃ｢Ｋ？……ねぇＫ！しっかりして！｣

Ｔ｢どうしたんだ？｣

俺らも、初めて聞くＣの悲鳴に驚いて部屋に駆け込んだ。

Ｋは壁の四隅にもたれ掛かっていて、見た目からもその具合の悪さが一目瞭然だった。

Ｏ｢これ─Ｃ｢見せて｣｣

ＯがＣと場所を交換する間にも、Ｋの首元には汗が張り付いていた。

Ｔ｢泣いてる、のか？｣

Ｎ｢え？｣

確かに、涙を流していた。

俺らからは鼻の下辺りからしか白い肌を見ることは出来ない。

でもそんな状態でも分かるくらい、パーカーには滴り落ちて滲んだ泪の跡があった。