青とフードⅢ (ページ17)

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さっきのことがあったからか、光が車道側を歩いてくれている。

こういうところだろうな、男からモテる理由はw。

さりげない気遣いっていうか、そういうところ。

八｢俺さ、交通事故で親亡くしてんだ｣

｢そ…なんだ｣

喉が詰まった。

いつも明るくて馬鹿なことばっかり言う光が

隣を歩くこいつが

そんな過去を持ってんだぞ？

八｢そういえば、高木は？｣

｢え？｣

八｢高木の親、見たことねぇからさ｣

｢俺は｣

誰にも話したことはなかった。

話したってどうにもならないことだと分かっていたから。

でも光が話したんだ。

俺にだってプライドってもんがあんだからな。

｢俺の親はシングルマザーでさ、だから母さんしかいなかったんだけど。３年前、通り間にあって殺された｣

沈黙が続く。

でも気まずくならないのは光だからだろうな。

八｢…嫌なこと思い出させてごめんな｣

｢あ…俺こそごめん｣

ふと、思った。

俺を後ろから押したのは誰だったんだろう。

八｢この流れで１つ、大事なことを言いたいんだけど｣

｢どうぞ？｣

八｢俺さ…怪盗グレーなんだよね｣

｢は？｣

おいおい、それってこの流れで言うことじゃないだろ。

バカかよ。

ていうか

｢俺もグレーなんだけど｣

って事は

八｢もしかすると、Ｔ、なのか？｣

｢そ、そうだよ。てことは、料理旨いしＨ！？｣

八｢おう！まさか高木がＴだったとはな｣

なんか、新しく結束感が生まれた。

これって、偶然？

それとも必然？