青とフードⅢ (ページ11)

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八乙女side

今日の授業、薮が全っ然集中してなかった。

俺はいつもの事だからさ、先生も諦め口調になってきてるんだぜ？

でも薮は優等生だからな。

いよいよ来週に迫った中間テストも伊野尾が来てからヤバイヤバイって焦ってたし。

薮は中学の頃から学年１位ばっかでさー。

俺は家庭科の料理の分野だけ満点とったことならあるけどな。

たったそれだけだぜ？

先｢薮？おい薮？聞いてるのかー。おーい｣

ほら、さっきからずっとこんな感じ。

昨日はそんなことなかったんだけどな。

あれか？恋の病ってやつか？

最近部活も来ねぇし、昨日の屋上でのことも色々と聞きてぇことあるんだがなー。

先｢おい八乙女！お前はいつも通りだなー笑。ほら、そんなに薮の事が好きなら、この問題解いてみろ｣

ちょっ待て待て。
～ならってそんな使い方しねぇだろ！

俺は薮が好きなんじゃねぇ！

ただ薮が気になるだけだ！

黒板の前に出たけど…わかんねぇ。

薮を見るけど…考えてる。

なに考えてんだよ！

お前の愛しの妻だぞ！

そんな妻が数学で答えが出せなくて困ってんだぞ！

先｢薮に助けを求めるな。生憎薮は、今考え事に耽ってるみたいなんでな｣

自力で解けー。

って突き放された。

キーンコーンカーンコーン

おっ、いいとこに授業終了のチャイムが。

ラッキー！

先｢次の授業は八乙女がこれを解くところから始まるからな。覚えとけよー｣

覚えねぇよーだ。

やぁっと昼休みだぜ！

｢薮？お前今日どうしたんだよ｣

薮｢その…今日伊野尾が休みだろ？｣

｢もしかして、昨日の屋上でのこと─｣

驚いた顔で俺を見る薮。

えっそれなの！？

テキトーに言ったんだけどなー。

薮｢ﾎﾞｿｯ)怪盗グレーの話だ…。よし、Ａ組行こう｣

怪盗グレーの話だ？

ま、俺には到底わかんねぇ問題だな。

昼ご飯は俺の弁当なんだよな。

俺に弁当作らせといて金払わないってどんだけや！

って最初は思ってたけど、今はもう俺の夫だからな。

料理が出来ないのは当たり前だ♪
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