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俺もほっとした瞬間─
岡「因みに大貴は知ってるの?」
「えっ!?」
驚きの振り方に思わず声が裏返ちゃったじゃん!
7人が俺を見、俺は真正面のニノくんを見据える。
ニノ「どうなの?」
とぼけてそう言っているけど、目では言うなと俺を制している。
「俺だって、知らないよ。見てみたいしー」
高「なぁーんだ」
八「別に無理矢理にでも見たいってことじゃなくてさ、ここ最近、伊野ちゃんは俺たちのことどう思ってくれてんのかな、と考えたりしてて」
山「まぁ、そのうちね?」
そう。
これでいいんだ。
いつか皆に見せられるようになれば。
まぁ、こんな感じで顧問に見つからないようにそっと学校を出、ちゃんと遊んで午後8時。
岡「あれ、伊野ちゃんじゃない?」
こんな時間に?
先に帰ってって言ったんだけど。
中「そうじゃなくて、あれ」
目を凝らしてみると、公園の端っこの方で伊野ちゃんによく似た灰色のフードの男が柵に座っていた。
薮「なにしてるんだ?」
そのとき、こちらに気づいたのか俺たちを睨んできたんだ。
あの、青い目で。
暗くて見えなかった。
でも目だけは確かに青く綺麗に光っていて、怪盗グレー、またの名を怪盗blue eyeだと踏んだ。
でもその時。
?「ゴホッ、ゴホッゴホッ…」
知「あれ、喘息?」
涼介の止める声もまともに耳には入らず、気が付いたらあの男の前まで走ってきていた。
「大丈夫、ですか?」
?「…」
たぶん、話せる余裕なんて無いんだ。
地面に倒れて肩で息をしているくらいだから、相当辛いんだとは思う。
「俺んちまで来てください」
?「えっ…」
何かを俺に伝えようとしていたけれど、その前に気を失ってしまったらしい。
心配そうに見守っている皆を手で呼ぶ。
岡「どうなの?その人は」
「ただ気を失っちゃっただけだよ。俺んちで寝かせるわ」
八「本気か?そんなやつ─」
横抱きに担いだ反動でフードが捲れた。
そこには中性的な顔をした、マッシュヘアーの男。
そう、伊野ちゃんがいた。
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作者名:柊 | 作成日時:2017年9月18日 15時